見出し画像

【組織論】どんな人を役職にすべきか?

永遠の課題かもしれませんが、ここを自分なりにでも考えておかないと、必ず痛い目に遭います。

今日はチームリーダー向けの記事になります。だいたい4000文字くらいなので、目次から気になるところをどうぞ!


******************


どうも、だぴてぃです。

臨床検査技師という医療業界の中でもさらに狭い業界いる人間です。ちょっとだけ大きめの病院で、役職(職場長)をやっています。

さて、今日は「どんな人を役職にすべきか?」ということに焦点を当てて書いていこうと思います。

みんな一生懸命働いているので、給与アップしてもらいたいんです。ただでさえ忙しい情勢ですから。でもそのためには昇格をしないといけないわけで…だからと言って、誰しもが昇格できるかと言われたら、決してそんなことはありません。


役職に向いている人もいれば、全然向いていないし、むしろなってしまったら組織崩壊起こすレベルの人すらいます。超向いている・向いていないといった極端な人であれば見極めるのはカンタンですが、普通に働いているスタッフが役職に向いているかどうかをジャッジするのは、結構難しい作業だったりします。

では少しでもいいジャッジをするためにはどうしたらいいか?ということですが、これは「判断基準」を定めておく必要があります。

人事評価にはいろんな数値があると思います。ですが、人間を安易に数値化できるわけもなく、どちらかというと「数字には表れない部分」が大切だったりします。

サッカーでも超絶スキル高い選手が一人いるよりも、チーム全体を盛り上げることができる選手の方が、価値が高いととるチームもあります。判断する場所によって評価は分かれます。メッシだってパスを繋げられるチームならベストな選手ですが、中盤をすっとばしてロングボールを多用するようなチームであれば、そこまで必要としません。

いかにポジティブな影響力の範囲が大きいか。ここがポイントです。

僕なりのジャッジ基準と、どんな人を役職にすべきか、現在役職の方がどんな人を一緒に働く役職に任命するのかということを、今日は解説していこうと思います。


専門スキルはどうでもいい?

僕は医療職なので、医療で考えてしまいますことをご容赦ください。

専門的なスキルを持ったスタッフは魅力的です。任せておけば高度な医療を提供することができるからです。こういうシンプルな力というのは、評価がしやすいんです。

ですが、役職は専門スキルを必ずしも必要としません。あった方がいいのは事実ですが、役職の仕事は「チームの総合値をどうやって最大化させるか?」というところにあります。

自分がやった方が仕事が早く終わるから、リーダー自ら仕事をこなしてしまう。こういう状況ってどこでも見聞きするものです。ですが、それはリーダーとしての仕事を全うしているとは言い難いんです。

役職は次にお話しする「俯瞰力」が求められます。今、チームで何が起きているか?どこがウィークポイントなのか?今後の展望は?未来に起こりそうなことすら、先回りで対処しておく。こういったマネジメント力が必要になります。

なので、どんなに専門スキル(医療で言えば知識や手技)が高くても、それを活かすことができない環境なら、スキルがないのと同義です。それはただの自己満足でしかありません。スキルはあった方が、リーダー自身がいざという時のカードにもなり得るので、持っていて越したことはありません。でも、それが役職者としての決定的な要素ではないんです。


俯瞰できる人こそチームに求められる

目の前のことしか見えない人は、決定的に役職に向いていません。こういう人を役職に選んでしまうのは、もはやその上の役職者の責任です。本人に非はありません。

俯瞰できないと、今どこに手をつけておけばいいのかわからなくなります。それはチームとして、組織として非常にマズイ状態。今すぐ改善が必要なレベルです。

ですが、俯瞰力を持った人なんて、そう簡単に見つかるものではありません。ではどうすれば俯瞰力を持つことができて、また、その能力を持った人を探すことができるのか?

ヒントは「人脈」にあります。組織の中で人脈がない人は、俯瞰力を持てません。考えてみれば当たり前で、他の部署やチームの動向がわからないのに、全体視なんてできるわけがないんです。チーム単位で考えても、人とコミュニケートできない人間が、行動観察だけで今起きていることを把握するのは非常に困難です。

このように俯瞰力というのは、付き合う「人」によっても変わってくるものです。もう少し噛み砕けば「得られる情報量とその質」が、俯瞰力を左右します。

誰から情報を得るのか?誰が参考(ベンチマーク)になるのか?どこが他のチームと繋がっていて、どれくらいの影響を受けているのか?

こういう細かい情報をどこまで察知できるか。俯瞰力はただ上から見下ろす視点という意味だけじゃなくて、地上戦(足を使った情報取得)も大切な要素になります。


タイプ一致はヤバイ

役職者に向いている・向いていないという特徴はなんとなくわかった。それでも、いい候補が数人いるという場合、どうやって選定すればいいのかということは、リーダーにとって難しい課題となります。

僕はしばしばポケモンで考えます。

リーダーがほのおタイプだとします。その状況でサブリーダーをどんなタイプにしますか?

人は「自分と同じようなタイプ」を選びがちです。言い換えるなら「自分に意見してこない・考えが似ているタイプ」です。これは組織破壊につながる選択です。

ほのおタイプは「くさ・はがね・むし・こおりタイプ」に有効です。
これと同じような範囲に有効なタイプなのが「ひこう・いわ・かくとうタイプ」です。

つまりリーダーが「ほのお」だったとしたら、サブリーダーに「ひこう・いわ・かくとう」を選んでしまうのは、あまり良くない。またほのおタイプの弱点である「じめん・みず・いわタイプ」を選ぶのもイマイチです。

リーダー自身の強みと弱みが被るような選択は、チームにとってプラスとは言えません。選ぶのは「リーダーとは違うタイプ」にすべきなんです。

ポケモンをやったことがない方にはちょっと例えが分かりにくいかもしれませんが、リーダーを補佐するには弱点を補える、または、全く違う強みを出すことができる人材が求められます。

あくまでリーダーを中心に考えるべきです。それはリーダー降格制度などを採用している組織ならまだしも、日本では一度昇進するとなかなか落ちにくいものだからです。

組織の目的は「チームの力を最大化して、結果に反映させること」です。先ほども書いた通り、持てる能力だけで役職は決まらないのです。チーム単位で考えることが、チームの力を引き出すことにつながります。


性格が悪くても表現形を間違わなければOK

向き不向きも、選んではいけないやつもわかった。でも、残ったやつは性格が悪い奴しかいないんだ…そういう状況も生まれるでしょう。

でも、性格の悪い人の確率の方が圧倒的に高いです。一見、いい人とみられる人でも、意外なところで本性を出したりします。そして一気にヤバイ奴認定されたり…

つまり性格なんてどうでもいいんです。いや、悪意を持って人に接してしまう人は論外ですが、心の中でどう思ってようが、その表現(敵意を持って相手を不快にさせない)を間違わなければOK。そうしないと選ぶ人がいなくなります。

ここで一番重視したいのが「コミュニケーション力」。人とうまく接することができない人は、これまた役職には絶対に向いていません。立場が変わればちょっとは改善するかもしれませんが、そんな改心を待っている時間は多くの組織でありませんよね。

現時点でコミュ力が高い人を選ぶ。これも間違わない役職者の選び方のコツです。

多くの方が間違っていますが、役職者は「日常の仕事ができるから」なれるわけじゃないんです。他のチームとの協働、チームを取り巻く環境を正確に把握し、状況によって自身の立ち回りを使い分けられること。これは日常業務の能力とはまったく別物です。

たまにいい意味での人たらしがリーダーポジションだったりします。例え日常業務でミスが多くても、人をうまく使えるというだけで役職に向いています。チームメンバーは「作業力」を武器にして業務をこなしますが、リーダーは「判断力・コミュ力」を駆使して業務を遂行します。

そこに性格の良し悪しは、そこまで影響してくることはありません。ただし、しっかりと自分の感情をコントロールできる人でなければいけませんが。


失敗して元々

最後にリーダーに向いている・向いていないではなく、リーダーの心構えをご紹介しておこうと思います。

リーダーなどをやったことがない人は、まるで自分ができるかのように批判してきます。

「こうした方がいい」「このやり方だと非効率だ」などと、あたかも評論家になったかの如く、言いたい邦題言ってきます。

そういう人には言わせておきましょう。文句を垂れ流しにしている時点で、評価できる人間ではないからです。文句いう暇あったら、その分の時間を自分が成長するために使う。これができるのがリーダーであり、デキる人の特徴です。

不満を露わにする、理屈ばっかり捏ねる、感情コントロールできない。こういう人に使う時間はありません。スッパリと切りましょう。現実問題、切る(クビ)ことはできないことがほとんどですが、心の中で切っておけばいいんです。(干したりするのはダメですよ。それは不当労働行為にあたるので)

あくまで一つのコマとして使う。これくらいの心持ちで十分です。

そもそも何でもかんでもうまくいくなんてことは、あり得ないわけです。失敗して元々。そんなことを怖がっていては、リーダーなんて務まりません。

いいんですよ。周りからなんと言われようが。リーダーのことは、リーダーにしか理解されませんから。やらないとわからないことが多すぎるのが、リーダーという、役職というポジションです。

他にも色々ありますが、それはこちらのマガジン内に収録していますので、興味のある記事をご覧になってみてください。


では今日はこの辺で失礼します。

頂いたサポートは書籍やスタバ代とさせていただきます❗サポートはぼくの活力となります😆たくさん喜んで頂けるように日々がんばります⭐