【翻訳】詩人ローレンス・ホープ その39
サボテンの茂み
The Cactus Thicket
「アトラスの山頂群が紫色の闇に包まれるも
はるか高くで邪魔されず、黄金の月輪がくっきりと昇った
サボテンの茂みは真紅の花で赤で飾られると
物言わぬ影をつたい、あの者がやって来た」
「十六回迎えた夏は常に、通り過ぎるあの者が
歩を止め、私の美に気付いてくれることのためだった
星群よ! 格別なる証人となれ! この唇はあの者のものだった
そこに閉じこめられている限り、この身は生きられぬ」
「私を連れていけ、〈死〉よ、魔力が色あせぬうちに
ああ、この双眸を閉じよ、夢に陰りが見えぬうちに
恍惚として恐れず、私がそなたを受け入れよう
あの者を受け入れた迎えた昨夜のように」
*****
「今はよせ、〈軽躁なる者〉よ、そなたのために
私は戻るゆえ、十の月輪が昇るだろう」
このたび紹介したのは、ローレンス・ホープの没後に発表された詩集Last Poems(1905年)に収録された作品になります。オリジナルはこちらのリンクよりチェックできます。
この詩人の経歴につきましては、次の記事でまとめています。よろしくお願いいたします。
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