結局どこからがパワハラなの?
こんにちは!DILです。
今回の記事はパワハラ(パワー・ハラスメント)についてお伝えしていこうと思います。
ハラスメント関連課題は、会社やその他のコミュニティでも意識されることが多くなっていますね。
ですので、ハラスメント課題についても、定期的に記事にしていこうと考えています。
さてさて、ハラスメント関連記事第一弾は、「パワハラ」についてです。
「それってパワハラですよね!」とすぐ言ってしまう
「これってパワハラ受けてるのかな・・・?」と悩んでしまう
「俺ってパワハラしてると思われてるかな?」と不安になる
「結局どこからがパワハラで、どこまでがパワハラじゃないの?」
と紋々とされている方も多くいらっしゃるようです。
そのような方々に対して、「パワハラ」の定義を簡単にまとめてみました。
ハラスメントの理解と、実際の生活のヒントになれば幸いです。
パワハラとは
改正労働施策総合推進法(令和元年6月5日公布)では、「職場におけるパワーハラスメント」を以下のように定めています。
職場において行われる
①優越的な関係を背景とした言動であって
②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、
③労働者の就業環境が害されるものであり、
①から③までの要素をすべて満たすもの
優越的な関係?
「優越的」とは、相手が抵抗や拒絶ができない(しにくい)状況であるということです。
上司から部下への行為
というのはわかりやすいですが、他にも
知識や技術が豊富な人で、協力を得られなければ業務が滞る同僚や部下からの行為
同僚や部下からの集団による行為
なども、抵抗や拒絶ができない(しにくい)ため、優越的な関係に含まれます。
業務上必要かつ相当な範囲?
その言動が明らかに業務上必要ない、または、言動が過度であるかどうかが判断基準となります。
業務上必要な言動か?
業務の目的を逸脱していないか?
業務を行うために適切な手段・方法か?
回数や時間、方法、程度が妥当か?
など、社会通念に照らし合わせて判断されます。
その判断においても、
なぜその言動をしたのか?
受けた側に問題行動があったのか?
業務の内容や性質はどうか?
行った側との関係性は?
といった様々な要素も含めて検討されます。
つまり、ここまでやったらNG、ここまでだったらOK、というはっきりした境界線はないということです。
労働者の就業環境が害される?
その言動によって、身体的・精神的な苦痛を与えられ
就業環境が不快なものになり
就業する上で、看過できない支障が出る
と、「労働者の就業環境が害される」ことになります。
その判断基準は、「平均的な労働者の感じ方」、つまり、
同じ状況で同じ言動を受けたときに、多くの人が「不快で、仕事に支障が出る」と感じるかどうか、が基準になります。
これもまた、あいまいな基準ですね。
その社会に含まれる人が変わったり、社会の一般常識が変わったりすると、「平均」そのものも変わっていきます。
基準自体がはっきりした明確なものではなく、基準も常に変わっているのです。
まとめると
抵抗・拒絶ができない(しにくい)相手から受ける
正当性や妥当性を欠いた
多くの人が不快に感じ、仕事に支障が出る原因となる
言動が、パワー・ハラスメントに該当すると考えられます。
一方で、客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で⾏われる適正な業務指示や指導については、職場におけるパワーハラスメントには該当しません。
ポイントは、「業務上の適正な範囲内かどうか」です。
しかし、その判断基準はグレーゾーンを多分に含んでいます。
パワハラ対策の目指すところ
「はっきりした基準がここには書かれているかも!」という期待でこの記事を読まれた方は、がっかりされたかもしれません。
残念ながら、ある程度の基準はあれども、「ここから先はパワハラだよ!」という明確な境界線はないのです。
「パワハラかどうか」を考える場合には、客観的な事実確認を丁寧に行いつつ、双方の気持ちや受け止め方にも配慮が必要で、常に考え続ける必要があるのです。
むしろ、その丁寧な対応や考えることをめんどくさがることそのものが、パワハラや人間関係の課題につながりかねません。
たとえパワハラに該当しなくとも、人間関係の課題を放置することは、ハラスメントの火種を残したり、メンタルヘルスや、生産性の低下につながることは十分に考えられます。
パワハラかどうか「判断すること」自体を目的とするのではなく、
自分も相手も気持ちよく働ける環境にすることを目指すことが大切です。
※パワハラに関するもっと詳細な情報が知りたい場合は、厚生労働省のホームページもご覧ください。
職場におけるハラスメントの防止のために(セクシュアルハラスメント/妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント/パワーハラスメント (mhlw.go.jp)
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