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新たなる矛盾を求めて!?

連休明けの先週は宿業務をお休みして、大阪市内へ映像仕事に出かけていた。

高層ビルから眺める梅田の街は人で溢れかえっており、宿のある鳴門土佐泊と比べると同じ日本とは思えないほど(笑)。地方の時代なんて言われて久しいけど、嘘ばっかり、都市部への一極集中はますます加速しているように見える。

数の論理というのか、確かにお金を稼ぐなら都市部に優位性がある。私が携わっている映像仕事も都市部だからこそ成立するもの。純粋な利益で言うと、映像仕事を数本こなすと、1年を通してあがる宿の利益を軽く凌駕してしまうのである。

これって理不尽な気もするし、だからこそ宿を続けていられるという矛盾もある。

経費の違いや専門的なノウハウによる優位性というものがあるにせよ、宿の仕事が映像仕事に劣っているなんて思えないし、むしろ、心の幸福度という事で言えば大差をつけて、宿業務に軍配が上がる。

夕暮れの中に佇むNOMAyado

効率だけで考えると宿を続ける意味なんて無いのかもしれない。けれど暮らしということで考えると、海と共にある豊かな自然環境や新鮮な食物・人の暖かさなど、地方ならではの恩恵は数知れず、もはや都会には戻れないし、宿をやっているからこそ、ストレスフルな映像仕事を気分よく続けられているというのも事実。

矛盾するように見えて、どちらも必要で補い合っている。

そう思うと今の暮らしは、経済的な支えと心の満足度、都会の良さと地方の良さをバランスさせたものと言えるのかもしれない。ある種、どっちつかずで根無草のような2拠点生活に、どちらからも受け入れられていないようなモヤつきを感じることもあったけれど、ここにきてようやく浮いていた足が地に着いたような気分。

ただ、年齢を考えるといつまでも映像仕事に頼れない事情もあるし、より多くの大人たちに響く唯一無二の宿へと育てていきながら、同時に都会とか地方に囚われることなく、心弾むような新たな仕事の種も見つけていきたい。

NOMAyado企画展覧会「海を蒔く」絶賛開催中です

泊まるだけじゃないNOMAyadoと銘打って始めた展覧会も、そんな試みの一つ。
何が正しくて、何がベストかなんてわからないし、利益だけで計るのではなく、人との繋がりや広がりなど、そこから何が生まれて、人生を彩っていくのか、これからも新たなる矛盾を探し求めていきたい。


泊まるだけじゃ無い NOMAyado 「海を蒔く」
2024.9.14 sat ~ 10.14 mon open 10:00~15:00(不定休)
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