深山(ノ)空想note

冷笑されたnoteを書いている。フィクションだったりノンフィクションだったり。

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記憶で生きる

 物事を永遠にしておきたいなら、記憶するしかない。  記録は、時に忘れるために行う。現に、私たちは過去に書いたものを再度開いてみないと思い出せない。潜在記憶には残っていても、取り出すことは容易ではない。  そんなものは永遠ではない。  記憶する内容はたった5秒でもいいし、なんなら一瞬で構わない。あと、脚色をしてもいい。  その手にある記憶を何度も思い出して、形を変えながらでも、永遠とする。それのおかげで生きていける。  それに殺されることもあるけれど、それでも構わないと思

    • 時間に押し流されて過去を思い返すことが少なくなっていく。 そうして記憶は薄れていって、自分の中からあの時間が消えていく。 手放したくないと思っても、どうしたって覚えるための時間は必要だ。 消えてしまってはダメだから後回しにはできないのに、どんどん目を逸らされる。

      • みんなが年齢を重ねていくにつれて器用になっていく中、一歩も進んでいない僕は取り残される。 一緒に悩んでいたはずの人たちから馬鹿にされるようになっていくんだと思う。 きっとそれでいいんだろうね。 みんなきっと幸せになりたいのだから、足を引っ張られたくないはずだ。

        • こんなネット上に書き残されたものなんか 何も息をしていない 言葉に命が宿らない 僕らの心は消えていく 文字になって消費されていく 記憶に残すために書くのに 記憶から消えていく

        • 時間に押し流されて過去を思い返すことが少なくなっていく。 そうして記憶は薄れていって、自分の中からあの時間が消えていく。 手放したくないと思っても、どうしたって覚えるための時間は必要だ。 消えてしまってはダメだから後回しにはできないのに、どんどん目を逸らされる。

        • みんなが年齢を重ねていくにつれて器用になっていく中、一歩も進んでいない僕は取り残される。 一緒に悩んでいたはずの人たちから馬鹿にされるようになっていくんだと思う。 きっとそれでいいんだろうね。 みんなきっと幸せになりたいのだから、足を引っ張られたくないはずだ。

        • こんなネット上に書き残されたものなんか 何も息をしていない 言葉に命が宿らない 僕らの心は消えていく 文字になって消費されていく 記憶に残すために書くのに 記憶から消えていく

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        • 無小─掌編小説
          9本

        記事

          悩みが捨てられない人間であろうか

           別に優しい人になりたいわけじゃない。  私たちの生き方を肯定する人がいないから、そんな人たちと同じようにはならないようにしようと思っているだけ。でないと、認めてしまうことになるから。  夜が好きな人たちが好き。みんなが寝ている時間の美しさを知る人たちが好き。単純に夜に出会える暗中の光も好きだし、視覚情報の一切を消し去る闇そのものも好き。  夜は目に映らないものが多いけれど、心象風景に広がっていって、私の全てをありのままに保ったままで覆い隠してくれる。  そしてその閉じた

          悩みが捨てられない人間であろうか

          「この作品はフィクションです」はあるのに「この作品はノンフィクションです」はない

           最近はあまり真面目に見ない文字列だから、書いてあるのかどうかも怪しいと思っているのだけれど、おそらく書いているのだろう。 「この作品はフィクションです」的なやつ。  僕は幼い頃、文字がある程度読めるようになってきた頃に、初めてそれが読めるようになって、誰かに「フィクションって何?」と質問した。  そうすると「作り話だよ」と返ってきて、そこで私は「なるほど、つまり作り話じゃないパターンもあるということか」となったので、続けて「作り話じゃなかったらなんていうの?」と聞いて「ノ

          「この作品はフィクションです」はあるのに「この作品はノンフィクションです」はない

          改心の早さに違和感

           この前、理学療法士の国家試験の勉強をしている友人の試験勉強に付き合っていたときの話である。  その設問の中に「人が障害を受け入れていく心のプロセスは?」といった内容のものがあった。  答えは「①ショック期→②否認期→③混乱期→④適応への努力期→⑤適応期」といった流れなのだが、僕はこの中の「②否認期と③混乱期」を逆にして解答をした。  個人的な感覚で「ショック期→混乱期→否認期」という流れで違和感が無かったのだ。  まず「私は障がい者である」と言われた瞬間にショックを受ける

          改心の早さに違和感

          私に近づいてくるやつに碌なやつはいない。

           言葉で誰かからの愛を掴むことができなくて暴れ回っていたら、いつの間にか傷だらけになってしまった。  暴れ疲れて座り込んでいたら、そんな私の体を見て近づいてきた人がいた。  嬉しかったし、やっと報われたと思った。  でも、動けなくなった草食動物には肉食動物しか寄ってこないのだということを忘れていた。  私の死因はそれだった。

          私に近づいてくるやつに碌なやつはいない。

          世の中に認められないのなら死ぬしかないけれど、せめて人を殺さないようにしなければ

          自分には何があるのだろうかと本気で考えることもできない。中途半端に諦めていて、土俵から降りようとしているのに、最後に残った片足がその土俵から離れない。 「本当にいいのか?」 「もう満足なのか?」 「後悔しないのか?」 沢山の確認事項が脳内に降りかかってきて、それらの全てを考える時間が必要だからという理由でまだ土俵に留まっている。 多分、考えるフリをしているんだと思う。 自分のことを分かってもらえないのは確かで、別に共感してほしいとは思わないけれど、少なくとも否定されない

          世の中に認められないのなら死ぬしかないけれど、せめて人を殺さないようにしなければ

          面倒な人間関係

          一つのことは、多くのことが織り交ざっている。 そう思っていたから、一言の真意が知りたくて多くの言葉をかき集めた。 多くの時間を使って、とても見合うとは思えない程の労力を費やして、今に至るまでに積み上がった廃棄物で身動きが取れなくなった。 追究し続けていた一言は、その頃にはなんだったか忘れてしまった。 だから作り直すしかなかった。 また無駄に終わる可能性があって、途方もない歩みになりそうだとしても、また作り直すしかなかった。 そんな面倒なものが、人との関係性ではないだ

          死人に命の水

           自分が死んでも社会に迷惑がかからないなんて思っていない。  冷たい冬の窓ガラスに触れているだけで涙が出てくるから、それだけで「だから死んでもいいでしょう?」と言っているけれど、許されるだろうか。  この世の中のことを何も分かってないわけじゃない。それなりには分かっている。でも、分かっているのにどうにもできない自分に苛立ってしまうんだ。この世に生きる全ての人間が社会の一員で、一人一人が責任を持っていて、だからこそ自殺は身勝手なことで、人に迷惑をかけてしまうことで、自殺を認め

          あなただけってこと。

          あなただけってこと。

          どこか遠い国には生きたいと思っている人がいるらしい。 不思議な話だ。

          どこか遠い国には生きたいと思っている人がいるらしい。 不思議な話だ。

          嫌いな人という理由だけで距離は取らない方がいい気がする

          嫌いな人とはどのような距離感でいた方がいいか、という話がある。 これに関して、場合によっては距離を取りすぎない方が良いと僕は思っている。 まずは自分がその人のことを嫌っている理由を考える方が先で、その理由をしっかりと分析する。 そして、自分がその人を理不尽に嫌っている場合や、単に自分の存在が危ぶまれるからという理由で嫌っている場合は、それは単なる防衛手段としての嫌悪であり、あまり健全な結果になるものではないからやめた方がいいと思っている。 ポップな例にすると、たけのこの

          嫌いな人という理由だけで距離は取らない方がいい気がする

          人の気持ちが分からないから社会科目が苦手だった

          私の得意科目は数学だった。特別視していたり一番好きだったりしたわけではなかったけれど、他科目と比べたら得意だった。 きっと私の思考回路と相性が良かったのかもしれない。真実探究的というか、人間の裏表とかではないシンプルで包括的で抽象的で論理的な性質。そんな数学の性質がとっかかりやすかった。 けれど、私のこういう考え方は数学をする以外の場面では大きな弊害であったように思う。実際に関係しているかどうかは分からないが、私としてはそう思っている。 例えば、私はテストで分からない問

          人の気持ちが分からないから社会科目が苦手だった

          未来のことを話すと、彼は口をつぐむ。そのわけを、私はずっと聞けないでいた。 会話が途切れた直後の沈黙は、嫌な想像の時だけ無駄によく回る頭のせいで何倍も長くて重いものだった。 私はすぐに「ご飯食べよ!」と言って立ち上がり、小さく震える手で彼専用の食器を取り出す。

          未来のことを話すと、彼は口をつぐむ。そのわけを、私はずっと聞けないでいた。 会話が途切れた直後の沈黙は、嫌な想像の時だけ無駄によく回る頭のせいで何倍も長くて重いものだった。 私はすぐに「ご飯食べよ!」と言って立ち上がり、小さく震える手で彼専用の食器を取り出す。