【しろくろ】「サッカーしてたけど、サッカー観ない」は勿体ない
導入としての大学時代の話
小学校からサッカーを始めて、大学ではフットサルサークルの副代表を務めた。お酒を覚えて自由の幅が異常に広がり、分別もつかぬままに遊び散らす大学生たちを尻目に、僕のサークルだけは狂ったようにボールを追いかけ回していた。
アホみたいにフットサルで遊ぶのが好きだったメンバーのほとんどは、やはり小中高とサッカーをしていた、所謂”サッカー経験者”ばかりだった。
自分の学年だけで20人はいたまあまあの目がサークルだった。
「サッカーにはお世話になっている」
サッカー系の仕事に携わっていたり、サッカーのメディアで働いている人たちの目標は様々だ。
「日本サッカーを強くしたい」「サッカーそのものをさらに進化させたい」「サッカーをより伝えたい」「サッカーでお金を稼ぎたい」
僕がサッカーを文字に起こしているのは「サッカー好きを増やしたい」からだ。その根底には「サッカーに恩返ししたい」と「自分の好きなものを人に話したい」がある。
小学校から気づけばサッカーをしていて、友達といえば放課後のサッカーを通じて作るものだと無意識レベルで刷り込まれた。
人見知りではないし、これまでの学生生活でもサッカーに関わらなくても親しい友人は作れた。それでも、サッカーのおかげで人生が拓けたという自覚は尋常じゃなくある。
「大人になったら何をするか」を考え出す20代に入り、1番に思ったのは「サッカーに関わりたい」だった。好きだったのはもちろんだが、サッカーには「お世話になっている」という感覚が強かった。
「サッカーはするのは好きだけど、観るのは好きじゃない」
ここで導入に戻るが、サッカー経験者ばかりのフットサルサークルメンバーのほとんどは、「サッカーはするのは好きだけど、観るのは好きじゃない」。所謂「やる専」だった。
「地上波でやる日本代表戦は追っている」、「やべっちFCはたまに観る」というレベルはいい方で、「全く観ない」という人もいたし、なにより驚くのは半分以上が「全く観ない」陣容だったことだ。
私は4年をかけて、或いはそれ以上の時間をかけて彼らをサッカー好きに仕立て上げた。もちろん全員をサッカージャンキーにすることには失敗したが、多くの人は今もDAZNと契約して「ハーフスペース」の有効性を知るレベルにはしてみせた。
一方で無謀な挑戦もした。サッカーをしたことも観たこともない人をDAZNに契約させる難易度は、挑戦前の想定より4馬身ほど差があった。
そのおかげで確信したが、多くのサッカー”やる専”の人は”観る”のも好きになれる。必要なのはきっかけと感動や悔しさを共有できる誰かだ。
そして彼らを全てとは言わないが5割、出会ったサッカー”やる専”の2人に1人を”こちら側”に連れて行けば、サッカーファンの数は爆発的に上がると確信した。
それが私が文字を書き、活動をする目的だ。
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