見出し画像

人生の方程式~大事なのはスキルよりもマインド~

転職ではスキルを気にする人が多い

「これからキャリア形成でどういったスキルを身につければよいでしょうか?」という質問を、よく転職相談者から受けます。
確かにスキルは大事です。実際に、一定の年齢を超えてくると、企業側は経験・スキルを重視した採用をするので、それに向けてどういうスキルを身に着けるか、は大事です。私も、「XXXの十分な経験を持っていると、年を重ねても転職市場での価値は高くなる傾向があります」という話をします。
ただし、実際に現職で、または次の転職先でその経験を積めるのか?積むまでにどれぐらい時間がかかるのか?ということを考えると、実はその質問は本末転倒だったりします。
また、たまに「MBAや公認会計士資格を取ったらキャリアは広がるでしょうか?」という相談者もいます。資格なども確かにある程度キャリアを広げることができます。ただし、私の肌感覚だと資格よりも「実戦経験」が重視されます。転職市場では、長く営業を経験した後にMBAを取って企画職や経営にチャレンジしたい、または公認会計士資格を取ってファイナンス職にチャレンジしたい、としても、その人は「営業」キャリアの人で、いきなり企画職、経営、ファイナンス職で転職することは基本的には不可だと感じています。もし資格を取り、それを生かしたキャリア形成をしたい、という場合には、まずは現職での異動を目指すのが、最もハードルが低いのではないかと思います(もちろん、それも難しいと思いますが…)。または、最初は営業入り口だとしても、異動の可能性が高い、実績次第で自分のやりたいことを叶えてくれる会社に転職することをお勧めします。

稲盛和夫氏の「人生の方程式」

資格やスキルも大事なのですが、それ以上に大事にしてほしい事があります。
それが「マインド(考え方や人間性)」です。
京セラやKDDIの創業者である稲盛和夫氏は、自身の実体験から、以下の通り「人生・仕事の方程式」を提唱しています。

「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」
人生や仕事の結果は、考え方と熱意と能力の3つの要素の掛け算で決まります。
このうち能力と熱意は、それぞれ0点から100点まであり、これが積で掛かるので、能力を鼻にかけ努力を怠った人よりは、自分には普通の能力しかないと思って誰よりも努力した人の方が、はるかにすばらしい結果を残すことができます。これに考え方が掛かります。考え方とは生きる姿勢でありマイナス100点からプラス100点まであります。考え方次第で人生や仕事の結果は180度変わってくるのです。
そこで能力や熱意とともに、人間としての正しい考え方をもつことが何よりも大切になるのです。

「稲盛和夫 OFFICIAL SITE」より

つまり、能力だけがあっても成功はしないのです。スキルや資格といった「手段」を追いかけすぎて、考え方や熱意が「0」だと、掛け算によって結果はゼロにもなりえてしまうのです。

「考え方」と「熱意」は自分次第で何とかなる

「稲盛さんやその他の経営者のような高尚な考え方は持っていない」という方も多いと思いますが、いきなりそこに行きつかなくても大丈夫です。ここでいう「考え方」は、大事にしている価値観、成し遂げたいこと、なりたい自分の像など様々で、若い方であれば「稼ぎたい」や「身近な人の役に立ちたい」「偉くなりたい」というもので十分です。
これに「熱意=自分の考えを実現するためのエネルギー」が掛け合わさることで、人生・仕事の結果の最大化を目指します。稲盛さんもそうですが、ファーストリテイリングの柳井さん、サイバーエージェントの藤田さんなどの有名な経営者はこの「熱意」がものすごく高いです。結局これがないと、いかなる高度もう起こせないのです。

ここで大事なのは「考え方」と「熱意」は自分次第でいくらでも高められるということです。考え方(やりたいこと、実現したいことなど)は、日常生活でアンテナを高くすることで見つかったり、本を読むなどをして高尚なものにできたりします。熱意についても、実現したい何かに向けて頑張るエネルギーなので、自分でコントロールできます。
一方で、得られるスキル・経験は現職での人事制度によるところが非常に大きく、その点で自分でコントロールできる部分が比較的小さくなってしまいます
従い、「人生・仕事の結果を最大化」するためには「考え方」と「熱意」を高めることがより重要になってきます。熱意があると、実現方法を突き詰めて考える、または苦しい時に自分を前進させるエネルギーになります。また、「考え方」(=実現したい何か)への思いが強くなれば、「熱意」の拠り所になります。「考え方」と「熱意」は相乗効果が見込めるのです。

私の例

私は35歳で未経験の人材紹介業にチャレンジしました。
その点で「能力」は最低ランク、しいて言うなら前職での営業経験は生きていると思います。
「考え方」については、もともと大学OB会で学生のキャリア相談員をやっていたこともあり、人のキャリアに携わることの面白さを感じていたので、そこを突き詰めたい、という思いと、前職で営業で感じた「目の前のお客さんが喜んでくれることの面白さ」をもっと味わえる仕事に就きたい、という思いが重なり、人材紹介を選びました。

「熱意」は、一番の自分の強みだと思っています。
・「人のキャリアに携わること」「目の前の人に喜んでもらう」ことを突き詰めたい。
未経験で自分を採用してくれた今の会社に恩返しをしたい。
・前職は人も給与も、会社としての安定感も不足なく充実していた。「捨てたものが大きい分、今の会社で成功しなければ後悔する」という思いがある。
がっつり稼ぎたい、という野心もある。

こういう熱意が自分の中にあり、つらいことがっても、それを楽しみながらここまで来れたという自負があります。入社時に目標にしていた先輩の業績も3年目にして超えることができたのは、こういう思いがあったからだと思っています。

皆様も、情熱を注げる何かを見つけて、そこに向けて小さくてもいいのでアクションを起こしてみてはいかがでしょうか。

今回もお読みいただき、ありがとうございました!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?