菊地夏美

20歳の時に購入したハンドメイドシューズをきっかけに革に魅了される。 その後、靴磨きを…

菊地夏美

20歳の時に購入したハンドメイドシューズをきっかけに革に魅了される。 その後、靴磨きを生業にしたくて転職。都内百貨店でのシューケアから始まり気がつけば10年。 現在は拠点をもたず、全国各地イベント・ワークショップを中心に活動。 光らせるよりも、補色やクリーニングが得意。

記事一覧

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育った革展①

菊地夏美
2週間前
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企画展「育った革展」を開催します【随時更新】

職人が丹精込めて作った革製品には芸術品のような美しさがある。 傷や汚れがつくのを恐れて、使用をためらってしまうかもしれない。 一方で。 日用品として使い込まれた革…

菊地夏美
1か月前
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やっぱり平野ブラシは名品だと思う

こんにちは。 靴磨きの仕事をしていると、「おすすめの商品はなんですか?」というご質問をよくいただきます。 この時聞かれているのは「おすすめのクリーム」や「おすす…

菊地夏美
1か月前
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10年目、これからどうしようか

おかげさまで、シューケアの会社を退社してからも靴磨きのお仕事をいただく機会に恵まれて秋には11年目を迎えることができそうです。 ここ数年というか最近、自分を紹介す…

菊地夏美
3か月前

サスティナブルが難しい

すっかりご無沙汰しております、、菊地です。 シューケア業界から飛び出して、革に関する「コミュニケーション」の分野で尽力できるように、とマーケティングやパブリック…

菊地夏美
2年前
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うつくしい日用品

とても個人的な意見なのですが、革靴を買ったらたくさん履いて欲しいなといつも思っています。お話をする機会のあった方には、そう話してきました。 「もったいないからと…

菊地夏美
4年前

7年目の穴

前回の投稿から間が空いてしまいましたが、こんにちは。 姫路革三昧旅行記からちょっと離れて、私物の話を。 空いちゃったんです、ついに。 靴底に、穴。 「靴の手入れ…

菊地夏美
4年前
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漆を幾重にも重ねた革

こんにちは。 今日は漆を塗り重ねた革、黒棧革のおはなしを。 漆塗りの革というとどんな革を想像しますか? 私が黒棧革と出会ったのは2017年。とある靴ブランドの受注会…

菊地夏美
4年前
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革の神に会う

こんにちは、菊地です。 前回突如あらわれた「革の神」。 是が非でもお目にかからねばと伺ったのがこちら。 兵庫県姫路市花田町149 高ノ木神社 革といえば姫路のイメ…

菊地夏美
4年前
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革が生まれるところ

こんにちは。 いきなりですが、姫路に来ています。 革を作る(=動物の皮を、革:レザーにする)ところをタンナーや製革所などと呼びますが、国内のタンナーの約7割が兵庫…

菊地夏美
4年前

はじめまして、

こんにちは。はじめまして。菊地です。 このnoteでは革にまつわる話を様々な観点から発信していきたいと思います。 例えば、そもそも革ってどうやってできているのか。革…

菊地夏美
4年前
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企画展「育った革展」を開催します【随時更新】

企画展「育った革展」を開催します【随時更新】

職人が丹精込めて作った革製品には芸術品のような美しさがある。
傷や汚れがつくのを恐れて、使用をためらってしまうかもしれない。

一方で。
日用品として使い込まれた革製品や履きこまれた革靴には、古道具の様な美しさがある。
使ってきたからこそ生まれる傷や汚れも内包する経年変化の魅力は、使用を繰り返さなければ生まれえない。

本展では、人が使うことで「育った革」が並びます。
傷やシミ、修理の跡が目立つも

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やっぱり平野ブラシは名品だと思う

やっぱり平野ブラシは名品だと思う

こんにちは。

靴磨きの仕事をしていると、「おすすめの商品はなんですか?」というご質問をよくいただきます。

この時聞かれているのは「おすすめのクリーム」や「おすすめのワックス」のニュアンスでご質問いただくことが多いのですが、
個人的な見解として「育てられるブラシ」と、靴の場合は「サイズ・形状の合ったシューツリー」です。

クリームやワックスは、色の合うものや匂いがきつくないか等、好みも分かれるの

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10年目、これからどうしようか

10年目、これからどうしようか

おかげさまで、シューケアの会社を退社してからも靴磨きのお仕事をいただく機会に恵まれて秋には11年目を迎えることができそうです。

ここ数年というか最近、自分を紹介するためのプラットフォームをもっていないことに申し訳なさを感じてきました。

「普段はどこでやってるの?」「どういうルーツの人なの?」「え!会社勤めもしているの⁉」などなど…
元いた会社と、今一緒にお仕事をする機会が多い人と、私の関係が謎

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サスティナブルが難しい

サスティナブルが難しい

すっかりご無沙汰しております、、菊地です。
シューケア業界から飛び出して、革に関する「コミュニケーション」の分野で尽力できるように、とマーケティングやパブリックリレーションズの業界に丸腰で入っていったのですが、仕事に関するインプットアウトプットであっぷあっぷになってました。

私が書けること、私が書くべきことってなんだろ…と中途半端なマーケティングの知識も相まってじっくり向き合えなくなっていたなぁ

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うつくしい日用品

うつくしい日用品

とても個人的な意見なのですが、革靴を買ったらたくさん履いて欲しいなといつも思っています。お話をする機会のあった方には、そう話してきました。

「もったいないからとしまい込んでいたら、底がボロボロしてきた/剥がれてきた」「カビていた」「日焼けした」などなど気がつかない間に進んでしまうトラブルの予防も理由の一つです。



何よりも、履き込んだ姿の方がうつくしいと思っているからです。

例えば、使い

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7年目の穴

7年目の穴

前回の投稿から間が空いてしまいましたが、こんにちは。

姫路革三昧旅行記からちょっと離れて、私物の話を。

空いちゃったんです、ついに。

靴底に、穴。

「靴の手入れ」というと、甲を覆っている革の方(アッパー)に意識がいってしまいますが、負担は断然靴底にかかっています。

この靴は、2014年の夏頃から履いているので7年目。薄いゴムシート(ハーフラバー)を貼って予め保護してしまうこともできますが

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漆を幾重にも重ねた革

漆を幾重にも重ねた革

こんにちは。

今日は漆を塗り重ねた革、黒棧革のおはなしを。

漆塗りの革というとどんな革を想像しますか?

私が黒棧革と出会ったのは2017年。とある靴ブランドの受注会で期間限定で使えます、という企画でした。

漆塗りの革というと、印伝も有名ですね。

私は正直、主張の強いゴージャス系というか…煌びやか系というか、いわゆるイロモノ系を想像してしまっていました。無知って怖い。

見て触ったらイチコ

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革の神に会う

革の神に会う

こんにちは、菊地です。

前回突如あらわれた「革の神」。

是が非でもお目にかからねばと伺ったのがこちら。

兵庫県姫路市花田町149 高ノ木神社

革といえば姫路のイメージをお持ちの方は多いと思いますが、その歴史は古く、弥生時代後期まで遡ります。

弥生時代(=紀元前10世紀〜紀元後3世紀中頃)の後期(=西暦50年〜)といえば、卑弥呼が邪馬台国の女王になった後。石器から鉄器が主要になってきた頃で

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革が生まれるところ

革が生まれるところ

こんにちは。

いきなりですが、姫路に来ています。

革を作る(=動物の皮を、革:レザーにする)ところをタンナーや製革所などと呼びますが、国内のタンナーの約7割が兵庫県の西部である姫路・たつの地区に集まっているのです。本場と言っても過言ではないはず。

この地で、革に携わる人のお話が聞きたい!と2日間たくさんの方のご厚意に甘えまくって見たり聞いたり触ったり、嗅いだり…。

〇〇ってこんなに厚いんで

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はじめまして、

はじめまして、

こんにちは。はじめまして。菊地です。

このnoteでは革にまつわる話を様々な観点から発信していきたいと思います。

例えば、そもそも革ってどうやってできているのか。革とヒトの歴史とは。

思い切って奮発して買った革靴を長く履くための方法。革を作る人の話…などなど。

正直、「革ってこういうもの」「いい革はこれ」と一括りに申し上げられないくらい奥深くて面白いのが革です。

見たこと、聞いたこと、調

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