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漆を幾重にも重ねた革

こんにちは。

今日は漆を塗り重ねた革、黒棧革のおはなしを。


漆塗りの革というとどんな革を想像しますか?

私が黒棧革と出会ったのは2017年。とある靴ブランドの受注会で期間限定で使えます、という企画でした。

漆塗りの革というと、印伝も有名ですね。

私は正直、主張の強いゴージャス系というか…煌びやか系というか、いわゆるイロモノ系を想像してしまっていました。無知って怖い。

見て触ったらイチコロ。即オーダー。笑

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すっかり魅力にやられています。あと5足くらいつくりたい…と想いを馳せているくらいです。しなやかで、趣もあって、佇まいが本当にうつくしい革です。かつ漆の強さがあるので結構タフ。

(恐らく)日本で1番ガシガシ履いている自信があるのですが、とっても元気です。


さて、そんな私の愛してやまない黒棧革。

どんな革かというと、

起源は安土桃山時代にまで遡るといわれています。旧くは武具に用いられていたことから、強さのある革だということがわかります。

国産の黒毛和牛の原皮を白なめしし、そこに加工を施しシボ革に。型押しのものもありますし、手揉みでシボを起こしているものもあります。
そこから全体に本漆を幾度も擦りこんでやっと完成するのがこの黒桟革です。漆が固まるためには限られた温度(約25〜30度)、湿度(70〜85%)と時間が必要です。

1枚作るのにも非常に時間がかかるうえに、作り手は姫路にあるタンナー・坂本商店さんの2人だけ。手間ひまをかけて、こつこつと作られているまさに日本人らしい革。

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(黒棧革かつノルベかよ!と気づいてしまった方は、オーダー時のテンションがおわかりいただけるのではないでしょうか。。。笑)

靴クリームやワックスで光らせたツヤとは異なる、漆が醸し出すきらめき。個人的には月明かりの下で眺めるのがお気に入りです。

つづく。

いただいたサポートで、タンナーさんのお話を伺いに行ってきます!