菊地夏美

20歳の時に購入したハンドメイドシューズをきっかけに革に魅了される。 その後、靴磨きを…

菊地夏美

20歳の時に購入したハンドメイドシューズをきっかけに革に魅了される。 その後、靴磨きを生業にしたくて転職。都内百貨店でのシューケアから始まり気がつけば10年。 現在は拠点をもたず、全国各地イベント・ワークショップを中心に活動。 光らせるよりも、補色やクリーニングが得意。

最近の記事

やっぱり平野ブラシは名品だと思う

こんにちは。 靴磨きの仕事をしていると、「おすすめの商品はなんですか?」というご質問をよくいただきます。 この時聞かれているのは「おすすめのクリーム」や「おすすめのワックス」のニュアンスでご質問いただくことが多いのですが、 個人的な見解として「育てられるブラシ」と、靴の場合は「サイズ・形状の合ったシューツリー」です。 クリームやワックスは、色の合うものや匂いがきつくないか等、好みも分かれるので「使いやすい=使いたいと思えるもの」を買うのがいいと思います。 とりあえず1個

    • 「革」と「レザー」は動物由来【革の定義がJISで規定されました】

      最近(業界内では)ホットな話題。 レザーフェアのセミナーにも参加してきました。 気になっていることは後で調べるので、ひとまずメモです。 (日本エコレザーの件もまた別で。) 2024年3月より「革」「レザー」と呼べる製品は動物由来のものに限定する「当たり前じゃん!」と革好きな界隈ではと思われるでしょうし、 「やっと…!」という思いの方も少なくないはずです。 辞書で「革」「皮革」「レザー」あたりを調べると、 大体「動物の皮をなめしたもの」のような解説がでます。 が、 実は

      • 10年目、これからどうしようか

        おかげさまで、シューケアの会社を退社してからも靴磨きのお仕事をいただく機会に恵まれて秋には11年目を迎えることができそうです。 ここ数年というか最近、自分を紹介するためのプラットフォームをもっていないことに申し訳なさを感じてきました。 「普段はどこでやってるの?」「どういうルーツの人なの?」「え!会社勤めもしているの⁉」などなど… 元いた会社と、今一緒にお仕事をする機会が多い人と、私の関係が謎を呼ぶようで…笑 バンバン有名になりたい!とか、WebやSNSでお仕事もらいた

        • サスティナブルが難しい

          すっかりご無沙汰しております、、菊地です。 シューケア業界から飛び出して、革に関する「コミュニケーション」の分野で尽力できるように、とマーケティングやパブリックリレーションズの業界に丸腰で入っていったのですが、仕事に関するインプットアウトプットであっぷあっぷになってました。 私が書けること、私が書くべきことってなんだろ…と中途半端なマーケティングの知識も相まってじっくり向き合えなくなっていたなぁという印象です。反省。 いや、もう革とかそこまで熱量なくなったな、とは全くなっ

        やっぱり平野ブラシは名品だと思う

          うつくしい日用品

          とても個人的な意見なのですが、革靴を買ったらたくさん履いて欲しいなといつも思っています。お話をする機会のあった方には、そう話してきました。 「もったいないからとしまい込んでいたら、底がボロボロしてきた/剥がれてきた」「カビていた」「日焼けした」などなど気がつかない間に進んでしまうトラブルの予防も理由の一つです。 が 何よりも、履き込んだ姿の方がうつくしいと思っているからです。 例えば、使い込んだまな板のような。履き込んだデニムのような。 持ち主の使い方が見えてくるのも

          うつくしい日用品

          7年目の穴

          前回の投稿から間が空いてしまいましたが、こんにちは。 姫路革三昧旅行記からちょっと離れて、私物の話を。 空いちゃったんです、ついに。 靴底に、穴。 「靴の手入れ」というと、甲を覆っている革の方(アッパー)に意識がいってしまいますが、負担は断然靴底にかかっています。 この靴は、2014年の夏頃から履いているので7年目。薄いゴムシート(ハーフラバー)を貼って予め保護してしまうこともできますが、好みの問題で私はほとんどの革靴は革底のまま履いています。 スニーカーみたいな

          7年目の穴

          漆を幾重にも重ねた革

          こんにちは。 今日は漆を塗り重ねた革、黒棧革のおはなしを。 漆塗りの革というとどんな革を想像しますか? 私が黒棧革と出会ったのは2017年。とある靴ブランドの受注会で期間限定で使えます、という企画でした。 漆塗りの革というと、印伝も有名ですね。 私は正直、主張の強いゴージャス系というか…煌びやか系というか、いわゆるイロモノ系を想像してしまっていました。無知って怖い。 見て触ったらイチコロ。即オーダー。笑 すっかり魅力にやられています。あと5足くらいつくりたい…と

          漆を幾重にも重ねた革

          革の神に会う

          こんにちは、菊地です。 前回突如あらわれた「革の神」。 是が非でもお目にかからねばと伺ったのがこちら。 兵庫県姫路市花田町149 高ノ木神社 革といえば姫路のイメージをお持ちの方は多いと思いますが、その歴史は古く、弥生時代後期まで遡ります。 弥生時代(=紀元前10世紀〜紀元後3世紀中頃)の後期(=西暦50年〜)といえば、卑弥呼が邪馬台国の女王になった後。石器から鉄器が主要になってきた頃ですね。佐賀県の吉野ヶ里遺跡の物見櫓が建てられたのも弥生時代後期と言われています。

          革の神に会う

          革が生まれるところ

          こんにちは。 いきなりですが、姫路に来ています。 革を作る(=動物の皮を、革:レザーにする)ところをタンナーや製革所などと呼びますが、国内のタンナーの約7割が兵庫県の西部である姫路・たつの地区に集まっているのです。本場と言っても過言ではないはず。 この地で、革に携わる人のお話が聞きたい!と2日間たくさんの方のご厚意に甘えまくって見たり聞いたり触ったり、嗅いだり…。 〇〇ってこんなに厚いんですか!と驚いたり。詳しい話は少しずつまた改めて。 そして耳寄りな話がありました

          革が生まれるところ

          はじめまして、

          こんにちは。はじめまして。菊地です。 このnoteでは革にまつわる話を様々な観点から発信していきたいと思います。 例えば、そもそも革ってどうやってできているのか。革とヒトの歴史とは。 思い切って奮発して買った革靴を長く履くための方法。革を作る人の話…などなど。 正直、「革ってこういうもの」「いい革はこれ」と一括りに申し上げられないくらい奥深くて面白いのが革です。 見たこと、聞いたこと、調べたこと、感じたこと等多岐にわたってお伝えしていけたらと考えています。 どうぞ

          はじめまして、