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~ある女の子の被爆体験記42/50~現代の医師として広島駅で被爆した伯母の記録を。”劣化ウラン弾とは?世界の核兵器の被害”

劣化ウラン弾の被害の事実を知らない現代人

核兵器を使用した国は、その被害について決して認めようとはしないものだ。なぜなら、認めてしまえば、世界からの批判が集中し、”せっかく”開発した核兵器を使うことが今後は困難になる可能性があるからである。歴史的にも、原爆が落とされた日本の医師や科学者は、原爆のもたらした結果を論文で発表することをアメリカ軍より禁止されていた事実は、新しい兵器の非人道的な作用は公に広がるまでには時間がかかることを示している

そのために、兵器の禁止は遅れ、罪のない人々の放射線被害は広がっていってしまう劣化ウランの事実を、現代人は、心して受け止めなくてじゃいけない。

劣化ウラン弾が使用された湾岸戦争では、アメリカとイギリス軍合わせて95万発の劣化ウラン弾が発射され、落とされた劣化ウランは300トン以上にもなった。子供を含むイラク人が、癌になり、奇形を持って生まれる赤ちゃんが増え、そしてアメリカ人やイギリス人の兵士たちも帰国してから体調の異常に気づき始めた。「湾岸戦争症候群」は原因不明として、国は兵器による被害の可能性すら認めようとしない。


劣化ウランの特徴

 劣化ウランは、原子力発電用や核兵器製造のウラン濃縮過程で廃棄物として大量に作られる。

2つの特徴的破壊力を保つため、兵器に利用されている。1つは硬さである。劣化ウランはその密度が、鉄の2.5倍、鉛の1.5倍あるために、硬く、砲弾に利用すれば厚い鉄壁を貫通できる。このため、対戦車砲弾としてその破壊力が発揮される。

2つ目として、放射線を放出し、敵の兵士に放射線障害を起こさせる。まず鉄を貫くときには、何千度にも至る摩擦熱を放出する。そして貫通後の爆発によって、放射能を含んだ微粒子が大気中に飛散する。放射線は、微粒子として肺に取り込まれるため、直撃死をまぬがれたとしても、その後半永久的な後遺症を人間に与える。

ヒュームとして、肺に入り込む放射性物質

湾岸戦争では、直接う劣化ウラン弾に被曝しなかったイラク兵も、その後に放射線障害による健康異常をきたした。それだけでなく、地上線に出たアメリカ兵も、放射性物質を肺に吸い込む事で、半永久的な放射線障害を受けることとなった。劣化ウラン弾が爆発すると、その放射性物質は細かいチリとなって空中を舞うため、知らず知らずに肺の奥へと放射性物質を取り込んだ。その後、癌などの健康被害を半永久的に被ることになった。

体内で放射線を出し続ける劣化ウラン弾の被害

劣化ウランU238は放射能半減期45億年ともいわれる。想像を超える長期間において、α線を放射しつづけるのである。α線は透過度が小さく、紙一枚あれば遮蔽になりうる放射線である。透過度の長いγ線が重である広島や長崎で使われた原爆とはその性質が異なる。原爆では放射線が人体を透過し、骨髄や内臓が被爆直後から、大きな影響をうけた。開発者の意図はわからないが、α線は透過性が低いから被害が少ないと考えたとしたら、それは大間違いであったと言える。α線は、フューム(細かいチリ)となって、肺の奥底に入り込み一生そこで、放射性物質を放出し続ける。一部は肺から血液内へ流れ、身体中に巡る。そして、体中の臓器に行きつき、その部に壊滅的な障害を一生与える放射線を放出し続ける。細胞毒性からいえば、これほど強い毒性をもつ物質は稀である。癌を起こし、身体的精神的な苦痛を起こすことはいうまでもない。さらに胎児奇形や子供の病気の報告においては、あまりに非人道的としか言いようがない。

先天異常

劣化ウラン弾の被害の統計が1998年12月に発表された。

被曝した兵隊は被曝していない兵隊と比べ、白血病が4.5倍、リンパ腫は5.6倍発生率が多かった。

 湾岸戦争後に出生した子供では、眼や耳、鼻、舌、性器、四肢などに変形や欠損、多種多様な先天異常が見られている。

 

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