かなえたい夢:10年後のバースデープレゼント
私は54歳の超高齢働く新ママ。1歳年下の中国系東南アジア人の夫と結婚後16年間の不妊治療の後、4ヶ月前に健康な第一子の男児が授かったという稀有な運命の持ち主。職業はスクールカウンセラー。肩書きはいくつかあって、公認心理師、国際箱庭療法士(ISST)、カウンセリング心理学博士。そして自称執筆家のクリスチャンである。
こんな私の夢は自分自身への10年後のご褒美。それは自分のセラピールームと書斎を持つこと。多くの心理療法家は生涯現役で自宅を開放して臨床にあたっている。約10年後には学校を退職する頃で子供も10歳。憎まれ口を言われ始める頃、私も自分のスペースが欲しいと思う時期かもしれない。そしてまだまだお金は必要で彼を育てるために働き続けないといけない。だから退職を記念に(今の仕事も十分好きなことだが) 自分の好きなことと職業を結びつけたいと思っている。箱庭療法と研究と小説執筆という本当に好きなことができるスペースと時間を子育て10年のご褒美に自分に与えたいと思っているのだ。そしてその空間でもう一つ行いたいこと。それは小さなホームチャーチを始めることだ。
私のこれまでの人生は大変劇的であった。25歳の時、15倍の倍率で採用された教員員採用を辞退し、ヨーロッパの恋人と過ごすために婚約もしていないのに渡欧した。彼のことが本当に好きだったというわけでもないが結婚してくれそうな素振りを見せてくれていたので、常に確執の問題あった母と離れたく、そしてもう一つは当時信仰していた新宗教の海外伝道を志したいという闘志の所以決意した渡欧であった。あの頃の私は異常なまでに新宗教に没頭しており、殊に教祖の思想をフェミニズム的見地から研究することで海外伝道に寄与しようという思いまで抱き信仰生活と共に学問に勤しんでいた。しかし、その後私はヨーロッパ滞在中イエスに出逢い、洗礼を受ける直前まで心が動き、最終的には現在住んでいる東南アジアで20年前に洗礼を受けることになる。熱狂的な新宗教信者であった私にとってはクリスチャンになるということは非常に大きな出来事であった。この私の洗礼に至るまでの道のりは、「私がクリスチャンになった訳」に綴った。
31歳で現在住む東南アジアに移住し、現地校で日本語を教え始めた。一年後には洗礼を受け、職場もインター校に移った。そして隣国の中国系のエンジニアと出逢い、電撃結婚したが彼はすぐ癌にかかり結婚後1年3ヶ月後に他界した。この彼との出逢いと別れについては、「青い蝶々」という題で執筆中である。その後すぐに現在の夫に出逢い交際後2年後に結婚をしたが、前夫を亡くすというトラウマの傷はすぐに癒える訳ではなく、自分自身が受けて癒されたカウンセリングに強く関心を持ち始め、夜間の大学院でカウンセリング心理学を学び始め修士号と博士号を取得した。カウンセリングを学ぶ中、箱庭療法や表現療法、ユング心理学に興味を持ち、研修のため海外を方々回った。40代は仕事と勉学に勤しみ、10年かけて、カウンセリング心理学博士号、国際箱庭療法士(ISST)、公認心理師の資格を取った。そんな中不妊治療にも挑んだが、メンタル的に余裕がなかったのだと思う。かえって勉強の完了した50代前半で私は不妊治療に成功し子供が授かったのだ。
50代前半に起きたもう一つの大きな出来事。それは半世紀ぶりに実父との再会を果たしたことだ。きっかけは日本に一時帰国している際父の何十年も前の手紙が見つかったことだった。その手紙より父が私にずっと送金を続けていてくれたことや母との裁判離婚後15年後に(私が高校生の頃)大富豪になり母に再婚を申し込み再び私の親権を得たいと願っていたことなどが発覚した。私はそれまで父は私を棄てた悪い人としか聞いていなかったため大変驚き感動し父を探し始めるとSNSですぐに見つかり、健在であることがわかり、80代の父と50代の娘は50年後に再会することとなったのだ。この不思議な切ない感動の物語については、「隠し子の叫びー半世紀後の父との再会物語」に記した。私はこの自己体験から片親疎外症候群や日本の単独親権問題について一層知るようになり、現在の私の臨床の研究テーマとなっている。
さて私の夫との関係は周囲から見ると良好で超高齢で念願の子供もでき世界一幸福なカップルと思われることが多い。自分でも二人は双子の兄弟姉妹のようでベストフレンドであると思っている。彼も恐らくそう思っている。まさしく「フレンド」なのだ。というのも私たちには性的関係がない。私の夫はLGTBQでそれを私は結婚後気づき、若い頃は非常に性的フラストレーションが溜まり何度も離婚を考えた。でも彼の精神的支えは大変強いものであったし、お互いに子供に恵まれ家庭を築きたいという強い思いがあり今に至っているので現在の結論としては、パーフェクトな結婚はないし、ベストフレンドの彼と、神の前に誓った結婚生活をどちらかが果てるまで全うし共に奇跡的に授かった子供を育てたいという気持ちでいる。そしてなんでもキャリアに結びつけたい私は、将来 LGTBQ の夫を持つ苦しみと喜びの体験をもとに研究や小説の執筆ができれば良いなあと思っている。
こんな私の半世紀の人生を締めくくる心理学研究(喪失、片親疎外、宗教2世、LGTBQ 等)と執筆と臨床ができるスペースと時間がいつか欲しい。そして私はもう一つ最後に勉強したいと思っていることがある。それは神学である。神学を勉強しホームチャーチを作ることは召命がなければ実現しないことなので、私の夢というよりは、神の導きを待つのみのことである。ただなんとなく、このホームチャーチの実現のため、還暦を迎える頃から神学を勉強できればなあと漠然と考えている。
でも今は子育てとフルタイムのスクールカウンセラーで大忙し。なので私のセラピールームと書斎を10年後に持つという夢とホームチャーチを作るミッションを心に抱きながら後10年このままの自分で頑張る決意をしたのだ。自分を振り返り未来へ生きる決意を今日できたことに感謝したい。そして今この瞬間に早速心の片隅に大事な書斎とセラピールームとホームチャーチを作ろうと思う。それがきっと忙しい超高齢働く新ママの日々を生きる糧となるだろうから。夢とミッションに向かって乾杯!
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