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mitsumame_komyos
遺書(ラブ・レター)
涙ながらに小説を読んだという経験は、いまだかつて一度もない。
ところが、ふと手にしたこのラブ・レターという短編小説だけは、ページをめくるたびに文字が霞んでいってしまった。
心に響く映画や小説に出会うと、その舞台を訪ねてみることにしている。
実際に現地に立ってみると、様々な思いが湧きあがり、作品のより深い部分に触れられるような気がするからだ。
ラブ・レターの舞台は南房総。残念ながら場所は特定できない。
でもそれらしき海岸に立ってみた。
主人公の女性が遠く眺めたであろう海。
潮風が目にしみた。
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