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さらさらと...

百年あとには この場所を知る人は誰もいない ここで演じられた大きな苦悩も 平和のように静かだ 雑草がわがもの顔にはびこり 見知らぬ人々が散歩にきて もう遠い死者の さびしい墓碑の綴字を判読する 夏の野を通り過ぎる風だけが この道を回想する 記憶の落としていった鍵を 本能が拾い上げて エミリー・ディキンソン わたしが、エミリー・ディキンソンの詩の中で一番すきなのが、この百年あとには、だ。 この詩には、強烈なインスピレーションが含まれてる。 記憶の落としていった鍵を、

    • 沈黙と叫び

      なんの罪もない人が殺されてゆく。 「汚れ」だと言われて。 人間とは、なんと簡単に、支配されてしまうのだろう。 兵士たち、、つまり市民の人たちの多くの、あまりもの無知。 男の持っている支配欲が増幅されて、とんでもないことになってゆく。 殺人、拷問、強姦、強盗、なんでもありの世界。 おまけに、兵士たちは、怖いのだ。 だから、ほんの少しでも脅威になる存在は、生かしてはおけないということになる。 、、、。 ラブロフ。 この人の頭の中身は、何で出来ているんだ? ウ

      • ウクライナ出身のピアニストВалентина Лисиця

        ValentinaLisitsaのピアノは、Dreamerにとって特別な意味を持ちます。 彼女を知らなければ、Dreamerはいないといっても過言ではありません。 Dreamerの一部。 Dreamerの全体を貫く稲妻。 彼女のピアノを聴く為に生まれてきた、そう思えるほど打ち震えた。 Dreamerがずっと探し求めていたもの。 絶望と希望の狭間に揺れるダイナミックな人生劇場。 幸せな緊張感。 今、確かに生きている、その一瞬の重み。 生命の営みにそっと寄添わせてくれる、

        • 運命

          運命は、皆違う。 しかし、記憶することはできる。 運命は、皆違う。 しかし、共に笑うこともできる。

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        記事

          妄想と幻想

          権力などそもそも、どこにも存在しない。 そんな当たり前のことに気が付いたのは、ここ3年ぐらいだ。 権力などは、所詮権力を持っていると見せているだけの幻想でしかない。 プーチンは、プーチンという一人の人間でしかない。 本当に恐ろしい。 兵士一人の命、市民一人の命が、自分の命と同等だということも分からない人間が、国のトップに就いているとは。 1400億円ほどかけて、個人の豪邸までつくって、欲の塊でしかない。 大昔、ある企業で働いていたときに、上司に誤解されて殺されそ

          妄想と幻想

          夢の連鎖

          夢を一つ見る。 でもそれは、大きな大きな全体の一部でしかない。 夢は何を見せる? 夢は歴史を見せ給ふ。 夢は決して途切れていないもの。 夢を遡ると一体何が見えるのかしら? 言葉にできない想ひを、夢は伝えてくれる。 夢はあなたの本当の感情を、伝えてくれる。 夢の連鎖は、あなたを伝えてくれる。

          夢の連鎖

          今年はスキ機能を活用して、多くの人にスキを付けるぞ!

          今年はスキ機能を活用して、多くの人にスキを付けるぞ!

          ホスピタリティ

          一人、一人、自分の世界を持っている 一人、一人、自分の感覚を持っている その世界や、感覚を大事にし、大切にしたい その世界や、感覚に触れるとき、もっと、注意を、払いたい それを壊さぬよう、傷つけぬよう 相手の心に、もっと、もっと、深く、寄添って 己の価値を、なるべく、押し付けぬよう 言の葉の、糸を紡いで 相手の心に、安心を、与えられるよう 相手の味方に、なれるよう

          ホスピタリティ

          David Harveyの講義メモ

          マルクスは、資本主義の生産様式を調査するための基礎として商品から始め、それが二重の特徴を持っていることを示唆した。 それは使用価値と交換価値。 交換価値についての謎は、使用価値に存在していた途方もない異質性が、どういうわけか、互換性があり、通約可能になっているということ。 マルクスは、その通約可能性を説明する交換価値の背後に何かがあるに違いないと主張。 その背後にあるのは価値の概念。 それをマルクスは社会的に必要な労働時間と定義する。 社会的に必要であるためには、何かに費やさ

          David Harveyの講義メモ

          David Harveyの講義メモ

          資源を別の何かに変換すること。 根本的に異なる概念ブロックを取り、それらをこすり合わせて、革命的な火を起こす。 マルクスは、異なる伝統を取り入れ、一緒にし、こすり合わせ、完全に新しい知識の枠組みを作成している。 新しい知識システムを作成しようとする場合は、概念的な装置全体を再形成する必要がある。 マルクスが資本論で、こすり合わせる3つの概念的ブロックは、 ①18世紀、19世紀初頭の政治経済学の概念的ブロック ⇒「剰余価値の理論」と呼ばれる3巻で深く批判している。 ⇒マルクスが

          David Harveyの講義メモ

          『おくのほそ道』を詠む⑬

          宮城野 名取川を渡て仙台に入る。 あやめふく日なり。 旅宿をもとめて四五日逗留す。 ここに画工加右衛門といふものあり。 いささか心ある者と聞きて知る人になる。 この者、年比さだからぬ名どころを考置きはべればとて、一日案内す。 宮城野の萩茂りあひて、秋の景色思ひやらるる。 玉田・よこ野・つつじが岡はあせび咲ころなり。 日影ももらぬ松の林に入りて、ここを木の下といふとぞ。 昔もかく露ふかければこそ、「みさぶらひみかさ」とはよみたれ。 薬師堂・天神の御社など拝

          『おくのほそ道』を詠む⑬

          小説|知花とイミー~未知との遭遇~

          知花は、思い悩んでいた。 「わたしには、生きる価値があるんだろうか」 知花は、13才の中学生の女の子。 学校の勉強には、まったく興味が持てず、思い悩んでいたのだ。 「みんなが勉強しているのだから、わたしも勉強しなきゃ」 「でも、何が楽しいのか全然わからない」 「学校をさぼりたいなぁ」 知花は、決して勉強ができないわけではない。親からも、担任の先生からも、やればできる子と、太鼓判を押されている。 でも、やれないのである。勉強をするくらいなら、好きな本を読んでいたほうが

          小説|知花とイミー~未知との遭遇~

          『おくのほそ道』を詠む⑫

          武隈の松 武隈の松にこそ、目覚る心地はすれ。 根は土際より二木にわかれて、昔の姿うしなはずとしらる。 まず能因法師思ひ出づ。 その昔むつのかみにて下りし人、この木を伐て、名取川の橋杭にせられたることなどあればにや、「松はこのたび跡もなし」とは詠みたり。 代々、あるは伐、あるひは植継などせしと聞くに、今将、千歳のかたちととのほひて、めでたき松のけしきになんはべりし。 「武隈の松みせ申せ遅桜」 と挙白といふものの餞別したりければ、 桜より 松は二木を 三月越し

          『おくのほそ道』を詠む⑫

          中村 哲さんを想ふ

          アフガニスタンのニュースを観ました。 タリバンが政権を取って、民主主義がなくなり、イスラム教に基ずいてまたやってゆくそうです。 気になりますが、どうなってゆくか見守りたいと思います。 アフガニスタンで偉大な功績を残した、中村哲さん。 この方は、惜しくも2019年に凶弾に倒れてしまいましたが、いつまでも忘れてはいけない存在だと思います。 彼のことばには、本物の輝きがあると感じています。 自然というのは、最も大いなる市場だと思います。 中村哲さんは、自然が大事だと強

          中村 哲さんを想ふ

          『おくのほそ道』を詠む⑪

          飯塚の里 その夜飯塚にとまる。 温泉あれば湯に入りて宿をかるに、土坐に筵を敷て、あやしき貧家なり。 灯もなければ、ゐろりの火かげに寝所をまうけて臥す。 夜に入りて雷鳴り、雨しきりに降りて、臥る上よりもり、蚤・蚊にせせられて眠らず。 持病さへおこりて、消入ばかりになん。 短夜の空もやうやう明れば、また旅立ちぬ。 なお、夜の余波心すすまず、馬かりて桑折の駅に出づる。 遥なる行末をかかえて、かかる病覚束なしといへど、羈旅辺土の行脚、捨身無常の観念、道路にしなん、これ

          『おくのほそ道』を詠む⑪

          『おくのほそ道』を詠む⑩

          佐藤庄司が旧跡 月の輪のわたしを超えて、瀬の上といふ宿に出づ。 佐藤庄司が旧跡は、左の山際一里半ばかりにあり。 飯塚の里鯖野と聞きて尋ね尋ね行くに、丸山といふに尋ねあたる。 これ、庄司が旧跡なり。 梺に大手の跡など、人の教ゆるにまかせて泪を落とし、またかたはらの古寺に一家の石碑を残す。 中にも、二人の嫁がしるし、まず哀れなり。 女なれどもかひがひしき名の世に聞こえつるものかなと、袂をぬらしぬ。 堕涙の石碑も遠きにあらず。 寺に入りて茶を乞へば、ここに義経の太

          『おくのほそ道』を詠む⑩