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年月日 YEAR, MONTH, DAY

日 DAY

一昼夜=太陽の周期です。
lこの場合、季節によって1日の長さは変化します。
 
平均時間を1日として、1日を24分割=「時」、「時」を60分割=「分」、「分」を60分割=「秒」に定められました。

現在は、セシウム原子時計による「秒」が定義され、そこから、「分」「時」が定められています。

現象から目盛りを定めていた時代から、地球の運行と無関係な目盛りを定めて時間を定めるように逆転したわけです。

<太陽の運行基準からセシウム原子基準へ>
地球の自転周期(1日の長さ)が徐々に遅くなっていることがわかり、1956年の国際度量衡委員会 (CIPM) で、1太陽年の 1/31556925.9747を「秒」として定め、これを基準に他の時間単位を定めることにした。

1967年国際度量衡総会 (CGPM)において、原子核が持つ普遍的な現象を利用したセシウム原子時計によるSIの秒の定義が決定された。

「秒」の定義(2019年5月~)>
秒(記号は s)は、時間の SI 単位であり、セシウム周波数 ∆νCs、すなわち、セシウム 133 原子の摂動を受けない基底状態の超微細構造遷移周波数を単位 Hz(s−1 に等しい)で表したときに、その数値を 9192631770 と定めることによって定義される。


月 MONTH

夜空に見える、月の満ち欠け(朔(新月)→望(満月)→朔(新月))の、約30日の周期です。

<月の満ち欠け基準の太陰暦>
新月から次の新月までの周期である1朔望月(約29.53日)をベースにした暦が太陰暦です。
太陰暦でひと月は29または30日。(平均周期は約29.53059日)
12倍して1年とすると、太陰年は354日(約354.36708日)となり、季節の循環と毎年約10日ずれてしまいます。

太陽や星の天体観察を続けるうちに、1年の変化がわかってきて、調整方法が見いだされました。
日の長さの変化から、二至二分(夏至、冬至、春分、秋分)や二十四節気が考えられました。

純粋太陰暦=ずれを調整しない
現代でもイスラムで使われるヒジュラ暦の1年は354または355日です。

太陽太陰暦=ずれを調整する
太陽の運行を参考にしつつ「閏月」(うるうづき)という「月」を挿入し、1年を13か月にすることによって暦と季節のずれを調整します。

<ずれの調整方法>
メトン周期=19太陽年は235朔望月にほぼ等しい!
紀元前433年にギリシアの天文学者・数学者メトンが提案。
太陰太陽暦において、19年に7回の閏月を入れればずれを調整できることがわかりました。ただし長期に渡るとやはりずれが生じます。

閏月
古代バビロンやインドでは黄道十二宮によって、中国では二十四節気によって、閏月を入れるようになりました。

二十四節気
地球が太陽を1周する日数を24等分したものです。
(平気法、恒気法ともいう(=時間分割法))
節気(正節)と中気を交互に置き、実際の季節の目安としました。

<閏月によるずれの調整>
節気(正節)から次の節気(正節)までの周期=節月は約30日で、朔望による月(29または30日)よりも長いため、暦と季節とのずれが蓄積されてゆくと、中気を含まない月が生じます。この中気を含まない月を閏月としました。

<月名の決定>
その月に含まれる中気によって月名も決定されます。
例:1月の節気=立春 1月の中気=雨水なので、
雨水を含むひと月は「1月」になります。

<分割方法の違い:恒気法と定気法>
地球暦や、現在日本でカレンダーに記されている二十四節気は、
黄道(=地球上から見た太陽が空をわたる軌道)上の位置で、二十四節気を定める「定気法(=空間分割法)」が用いられています。
春分や秋分などの日付は正確ですが、中気の日数は29~31日と幅があり、
閏月の入れ方が工夫されました。



年 YEAR

春夏秋冬や雨期・乾季など季節が一巡りする周期で、
太陽が天球を一周する(太陽年)、地球が太陽を一周する周期です。
太陽年は、約365.242189 日で、100年につき約0.532秒短くなっています。

<年の暦が必要なわけ>
人間の生活には、気温、降雨量、天気、風などの気候の変化する時期を知ることが重要です。
農耕では、作物の種を蒔く時、収穫できる時は一年のうちで決まっているため、日にちを数えるだけではなく、同様の時期が一年のうちでいつ巡ってくるかを知る必要があり、それを知るた方法として暦が作られ使われました。

<文字としての意味>
日本語で「とし」とは、「稲」や穀物を語源とし、1年周期で稲作を行なうことから「年」の意味で使われるようになった。

漢字の「年」は、イネや穀物の形をあらわす「禾(か)」と、豊作を願って舞い踊る「人(ひと)」から、穀物が成熟するまでの周期を表わす字になった。

太陽暦
地球が太陽の周りを回る周期(太陽年)を基にして作られた暦(暦法)で、1年の日数365日を1太陽年(約365.242189 日/2015年)に近似させています。

グレゴリオ暦
世界各国で用いられる「グレゴリオ暦」では、1年を365日とし、
1年を366日とする閏年を400年間に97回設けることによって、1年の平均日数を365.2425日としています。

ローマ共和国(ローマ帝国の前身)では、従来の太陰太陽暦「ローマ暦」に代えて、紀元前46年に太陽暦「ユリウス暦」が導入されました。
1582年にローマ教皇グレゴリウス13世により制定された「グレゴリオ暦」は、「ユリウス暦」のずれの補正方法(置閏法)を改良したもので、その後世界中に普及し、現在世界各国で広く使われています。

正教会では復活祭の日付算出にユリウス暦を用いており、グレゴリオ暦だけでなく、用途によって他の暦も併用されていることは少なくありません。

日本では太陰太陽暦「天保暦」が使われていましたが、1873年に太陽暦「グレゴリオ暦」が導入されました。(明治改暦)
これにより、太陰太陽暦は旧暦と呼ばるようになりました。
カレンダーに二十四節気などが記載されていたり、祭りや行事が旧暦に基づいて決められたり、いくつかの暦が併用されているのも自然なことだと思います。



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