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いち日

日が昇り、お日様が照らす昼間に活動して、
日が沈んで、お日様の光がお月さまにバトンタッチすると、
休むという周期で生活しています。

夜明けを1日の始まりとするのは古代からの自然な感覚でしょう。

地球の自転による、太陽の動きのサイクルが1日という事になります。

実際に太陽を観察して得られる1日の長さは、太陽が南中(太陽の中心が子午線上に来る瞬間)から次の南中までの時間です。(真太陽日)

地球の公転軌道は楕円で、自転軸は公転面から23゚27'傾いているため、太陽の動きも一定の速度ではなく、真太陽日の1日の長さも絶えず変化しています。
このため、実際の太陽(真太陽)の動きを平均化した太陽(平均太陽)を想定し、この太陽が南中してから次に南中するまでの時間を一日(平均太陽日)として、時刻(平均太陽時)を決めました。

1日を24時間、1時間を60分、1分を60秒と分割したものが1秒です。
1秒は1平均太陽日の1/86400の長さということになります。

1日の始まり
時の計測の基準点は平均太陽が南中する時(正午)です。
しかし、日常生活では、正午に日付が変わると不便なので、1日の始まりは「平均太陽の時角+12時間」と決められています。

太陽基準から原子秒へ
天文観測や時計の精度が向上すると、地球の自転速度が、主に「潮汐摩擦」(潮の満ち引きによって起こる海水と海底との摩擦)によって、わずかですが徐々に遅くなっている=つまり1日の時間はが徐々に延びていることがわかてきました。

このため国際度量衡委員会(International Committee for Weights and Measures, CIPM)は、1956年に地球の公転を使って時刻を定義する、暦表時を採用しました。1秒の長さを、暦表時1900年1月0日12時(太陽黄経279°41′48.04″)における回帰年(太陽年)の1/31556925.9747(暦表秒)として、変動に影響を受けないようにしました。

さらに1967年には、安定した振動を持つセシウム133の放つ光が9,192,631,770回振動する時間を国際単位系の1秒(原子秒)と定義し、これに基づく時刻(原子時)を採用しました。
原子秒の長さは暦表秒の長さにあうように定義されたので、やはり当時の平均太陽時の1秒とはズレがあります。

平均太陽時とも地球の自転とも無関係な秒を定め、この秒を基本単位として、60秒=1分、60分=1時間、24時間=1日が定められています。

「日によって秒を定める」という関係から「秒によって日を定める」という関係へと変わり、ある意味関係が逆転したわけです。




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