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ロカボダイエット とは?

ロカボダイエット=糖質制限ダイエットのことで、ローファットダイエットとケトジェニックダイエットの中間的な位置づけです。(ローカーボダイエットというと強烈に否定されることもあるようです。定義がよくわかりませんが…)

ケトジェニックダイエットと同じく糖質制限だが、根本的な違いは糖質をある程度許容するところです。ケトジェニックはなるべく糖質をカットするに対し、ロカボは 70〜130g/日 と推奨され、おおむね一般的な糖質摂取量の 1/2〜1/3 のようだが、なぜその数値なのかの根拠は調べた限り不明です。(良いあんばいだからでしょうか…)

ロカボダイエットの根幹とする理論は、糖質による 食後高血糖 ⇒ インスリン過剰分泌 ⇒ 余剰血糖→中性脂肪 ⇒ 肥満 というルートを断ち切ることにあるでしょう。生活習慣病の代表格である2型糖尿病も同じルート内の悪循環が成因と考えていいと思います。

高血糖は肥満の原因だけでなく、AGEs(Advanced Glycation End Products=終末糖化産物)とよばれる老化物質の増加にもつながるとされている。AGEsはどういう物質かというと、糖が体内でタンパク質とメイラード反応(糖とタンパク質を一緒に加熱すると褐色に変性する=糖化という現象)を起こし、いろんな過程を経てできた変性したタンパク質の総称です。(焼き肉の網にこびり付いたお焦げみたいなもの)
もちろん体の中で肉を焼くわけではないが、高血糖の状態が続くと非常にゆっくりだが同じような反応が体内でも起き、AGEsの増加は肌・血管・骨・脳などの老化を促進し、がんの発生率を上げるとも言われている。

こういった「血糖の上昇が諸悪の根源」という考えから生まれたロカボダイエットは、血糖を上げないことに焦点を絞ったダイエット法と言っていいでしょう。
そもそもこのダイエット法は糖尿病の食事療法から派生したダイエット法で、食後高血糖を抑えて肥満を解消するのがセオリーです。

おそらくダイエットについてある程度知識のある方なら同じ疑問を抱くでしょう。
「なぜケトジェニックじゃダメなの?」
筋肉・脳とかはケトン体を使えるけど、赤血球は糖しか利用できないので、完全に糖をカットするのは危険だ〜みたいな答えもちらほらとみられるが、「糖新生」という機能を無視しています。実際に、自分がケトジェニック中でいろんなタイミングで血液検査をしてみたが、食前食後に関係なく血糖は安定し、低血糖の経験もありませんでした。
ケトジェニックダイエットは厳しい制限のわりにロカボダイエットと効果的にほとんど変わらず、悪玉コレステロールが上がるとの話もありますが、それは飽和脂肪酸の摂りすぎではないかと推測します。(ちなみに私は正常の下限まで悪玉コレステロールが下がっていました)

結論として、食材選びの選択肢やビタミン・ミネラル摂取など厳しいルールで行うケトジェニックダイエットは長く続けることが難しく(そもそもケトジェニックダイエットも長く続けるものではないと思うが)、そのしきいを下げた結果として生まれたのがロカボダイエットではないかと、邪推だがそれで自分を納得させました。(最後に自分のなりの考察があります)

また、ロカボダイエットのメリットとして、糖質制限さえ守ればタンパク質・脂質を好きなだけ食べてよいと紹介されることも多いが、「オーバーカロリーするほど肉と脂は食べられない」という前提が必要です。
オーバーカロリーになってしまえば、糖質をどう制限しようがやせないことを保証します。(やせる合理的な理由がありません)
私のように肉と脂が大好きで、ケトジェニックダイエットをなんの苦痛もなくこなせてしまう「強靱な胃腸」の持ち主には通用しないでしょう。いくらロカボダイエットでも、カロリー計算は必ず必要だと考えて下さい。

もう一つロカボダイエットの注意点として、糖質不足の状態にしていながら糖質代謝エンジンが稼働し続けていることです。
ダイエットのためには必ずカロリー収支をアンダーカロリーにしなければならないし、緩やかな糖質制限のもとでも間違いなく糖質不足になります。そうなれば、体は糖質を求めて「糖新生」が起こり、筋肉がカタボリック状態に傾きます。ボディメークにとってはデメリットとなるでしょう。糖質を増やせないのなら、少しでも筋肉量の減少を防ぐためにはタンパク質の摂取量を多めに設定するといいと思います。

ここで、ロカボダイエットのメリット・デメリットをまとめます。

< メリット >
・食後の高血糖を抑えられる
・食材として糖質を選択できる
・比較的に誰にでも出来る方法
・食事のバリエーションが多く、飽きにくい
< デメリット >
・筋肉量が低下する
・トレーニングのパフォーマンスが低下しやすい
・(やはりタンパク質・脂質にも制限が必要)

ここまでの内容だとあまり使えないダイエット法になってしまいそうだが、糖尿病耐糖能異常(糖尿病の一歩手前)と言われている方のダイエットには重宝される方法だと考えています。
食後の高血糖を改善することが先決であるため、方法としては非常にマッチングしています。まずはロカボダイエットでインスリン分泌能や感受性を回復させ、それから徐々に糖質を増やしながら普通のPFCバランスに戻すなり、さらに一歩進んでボディメークで新たな自分を探求していくこともいいでしょう。
ここで注意していただきたいのは、糖尿病耐糖能異常の方にいきなりケトジェニックダイエットはお勧めできませんケトアシドーシスのリスクがあるからです。(理由は『ケトジェニックダイエット とは?』をお読み下さい)

いかがでしたか?
ネガティブな情報の多い内容となってしまいましたが、理論に基づき自分なりに検討した結果です。反対な意見もあるでしょうが、一つの考え方として受け止めていただければ幸です。

では、次回もお楽しみに。
“ 一時の減量より一生の健康 “

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