私が専門の「神経内科」とは?
これまで一般医学やコロナ診療のことを記事に記載してきましたが、今回私が専門の神経内科についてお話しようと思います。
医師以外の方と話して神経内科と言うと
「心療内科?精神科?」
と、言われます。
世の名的に、認知度は低い印象です。
神経内科とは、脳~脊髄~末梢神経~筋肉の疾患を扱う診療科です。
具体的な疾患名は
脳梗塞、パーキンソン病、てんかん、認知症、ALS、髄膜炎、多発性硬化症、重症筋無力症、脊髄小脳変性症、進行性核上性麻痺、CIDP、ギランバレー症候群、筋炎、脊髄炎、ADEM、筋ジストロフィー、ジストニア、偏頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛
などです。
あまり馴染みがないですか?
マニアックどころを挙げると、
傍腫瘍性辺縁系脳炎、Isacs症候群、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症、ビタミンE単独欠損症、抗LGI1抗体陽性辺縁系脳炎、脳腱黄色腫、家族性痙性対麻痺
医療関係者でも「???」と思う疾患ですね(笑)
つまり、珍しい疾患が多いのです。
馴染みがない理由は、これだと思います。
では、どういった症状の時に神経内科を受診すれば良いのか。
Twitterにも記載しましたが、以下です。
麻痺、しびれ、熱さ冷たさを感じない、触られてる感覚がない、呂律回らない、言葉が出ない、意識障害、頭痛、物が2重に見える、瞼が下がる、体がぴくつく、震える、歩きにくい、体が動かしにくい、物飲み込みにくい、忘れっぽい。
このように、多岐に渡ります。
神経内科医は、上記疾患のプロフェッショナルですが、患者様の全身管理、生活調整も出来なくてはいけません。
全身管理について。
特に脳梗塞は生活習慣病が原因となることが多いので、内科疾患である高血圧、糖尿病、高脂血症は日常的に診療しています。
また救急対応や、生死を彷徨う患者様の管理もします。
心不全、肺炎、喘息の対応はしますし、重症な患者様には麻酔、人工呼吸器管理、集中治療も施行します。
生活調整。
神経疾患で日常生活が困難となった患者様に、介護申請、難病申請、身体障碍者手帳交付をします。このような医療助成制度の導入も大事ですが、最も重要なのは本人とその家族の心理面のサポートです。
これらは診療の礎となります。ここが徹底していると、診療が上手くいくことが経験上多いです。
まとめると神経内科は、脳~脊髄~末梢神経~筋疾患のプロだが、内科全般や救急対応、患者様の生活が円滑に出来るような環境作りをしています。
これを読んで頂き、少しでも馴染みを持って頂けたらとても嬉しいです。
そして医学生さんや、研修医の先生がもしこれを読んでいたら、ぜひ将来神経内科を志望して欲しいです。とてもやりがいがある、これは自身持って断言します。
PS.さくさんに、私の以前の記事を紹介して頂きました。
さくさん、ありがとうございます。
写真は、愛媛県今治市、今治城です。
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