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病院で医療保険の対象にならないもの。実はたくさんあります。

今回は、健康保険の対象とならなく、全額自己負担になるものについてお話します。

日々の診療で、医療費が高額なことに憤る患者様をしばしば対応します。その大半の原因は、健康保険対象外のものを把握していなかったことです。

健康保険が適用されるものに対して、医療費の自己負担割合は以下の通りです。

・小学校就学前 2割
・70~74歳 2割
・75歳以上 1割
・その他 3割
(70歳以上で一定以上所得者は3割)

今後、75歳以上で年収200万以上の方の、医療費負担を2割に引き上げることが、昨今トピックになっていますね。

そして、手術などで医療費の自己負担額が高額となった場合、高額療養費制度という軽減措置があります。以下が、年収ごとの自己負担限度額です。

このように、医療保険の自己負担軽減と高額療養費制度のお陰で、日本国民は誰もがリーズナブルな価格で質の高い医療を受けることができます。

では、健康保険対象外のものは、以下です。

・入院時の食事代
・入院中の雑費や日用品代(パジャマ、テレビカード、おむつなど)
・差額ベッド代
・保険適用外の治療費や手術代
・高度先進医療費
・家族の見舞いの交通費
・業務上の病気やケガ(労災保険の対象)
・通勤途上で起きた事故(労災保険の対象)
・予防注射
・正常分娩
・美容整形手術
・健康診断、結核診断、人間ドックなど
・その他、医師が治療を必要と認めないもの

特に、差額ベッド代が高すぎると憤る患者様が、とても多いです。

差額ベッド代とは、健康保険対象外の入院病室費用です。

差額ベッド代がかかる条件は、
・病室の病床数が4床以下であること。
・病室の面積が、1人あたり6.4平方メートル以上であること。
・病床ごとにプライバシーを確保するための設備を備えていること。
・個人用の収納設備、照明、小机及び椅子を備えていること。
の、いずれかに該当する場合です。

平成29年の中央社会保険医療協議会調べでは、差額ベッドの平均は、1人部屋7837円、2人部屋3119円、3人部屋2798円、4人部屋2440円だそうです。

つまり、1人部屋7837円の場合、1ヶ月(31日)入院するだけで、差額ベッド代が242947円もかかるのです。

しかし差額ベッド代は、病院の言い値です。変域は50円~40万円と、医療機関によって大きく値段が異なります。なので、更に高額になる可能性もあります。

差額ベッドのことは必ず医師や看護師が患者様に説明します。しかし入院の混乱のせいか、差額ベッド代に注意を向けない患者様もしばしばいらっしゃいます。

入院費の内訳を理解し、特に差額ベッド代は必ず確認しましょう。

PS 先日、まちや ゆず子さんの記事で紹介して頂きました。

まちや ゆず子さん、本当にありがとうございます。

今後とも、宜しくお願いいたしますね。

写真は、岩手県北上市の、駅前地下道です。

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