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リハビリにおけるメンタルケアの重要性とDPTとの関係性


 大きな怪我をして入院した場合、身体的な苦痛が生じるのはもちろんですが、精神的にもかなりの苦痛が生じます。そのため、リハビリにおいては、単に身体の状況をチェックするのみならず、患者の精神面にも気を配り、必要に応じてメンタルケアを行う必要があります。

 特に高齢者の場合、身体の不調や痛みのみを訴えることが多いため、精神状態の不良が見落とされやすいです。そこで、専門の精神科医や臨床心理士がいない病院では、SDS(うつ性自己評価尺度)やGDS(老年期うつ病評価尺度)という質問票を使用し、患者の精神状態を評価しています。

●怪我をした人の精神状態


 怪我をして入院すると、病室という慣れない環境で、身体の痛みや「立てない」・「歩けない」という不安に直面し、ひどく落ち込んでしまいがちです。さらに、一日のほとんどを寝たきりで過ごすため、余計に不安や焦りは募っていきます。そうしてうつ状態となり、強い不安感や身体的苦痛から、人との会話さえできなくなるケースも珍しくありません。

 そうなると当然、リハビリを行うときにも「身体がつらい」「動きたくない」という思いが強くなり、意欲が湧かなくなってしまいます。

●患者の回復意欲の重要性


 このように、リハビリ開始時において患者の回復意欲が低いケースは少なくありません。回復意欲が低いと、リハビリに積極的に取り組むことができなくなるため、身体機能の回復も遅れ、社会復帰や仕事復帰にも悪影響を及ぼす要因となります。

 そのため、患者の回復意欲を高めることは、リハビリにおいて非常に重要です。回復意欲が高いと、リハビリ自体の効果が上がるのはもちろん、生命予後や、退院後の日常生活の自立度にも良い影響があると言われています。

●メンタルケアの効果


 患者の回復意欲を向上させるためには、メンタルケアが欠かせません。患者との共感や適度な励ましでリハビリを意欲的に継続できれば、日常生活動作の回復に効果があると考えられています。

 例えば病院スタッフが患者との会話時に、しっかりとうなずきや相槌を入れることで、患者はきちんと話を聞いてくれていると感じ、安心感を覚え、スタッフを信頼しやすくなります。

 また、前日よりも歩行状態が良くなったなど、リハビリによる改善の程度を患者に伝えることで、患者は自分自身で身体の回復状況を把握でき、リハビリ意欲の向上につながります。

 患者の孤立感や不安感が増加しないよう、「手術をすれば、また歩けるようになりますよ」、「しっかり治療をしてご家族に元気な姿を見せましょう」などといった言葉をかけるのも重要です。 

●医療従事者がすべきこと


 効果的なメンタルケアのために、病院スタッフには次のようなことが求められます。

・患者と声のトーンを同じにし、相槌、オウム返し、患者の仕草のマネをしながら会話する。

・ネガティブな発言が見られたときは話を傾聴し、リハビリ意欲の低下を防ぐ。

・リハビリ以外での様子も観察し、頑張っている姿を見かけたら、それを患者に伝えて親密度の向上をはかる。

・関節の動き、筋力量、歩行量が向上した際には、身体機能が回復していることを患者に伝え、安心感や意欲の向上をはかる。

・患者に質問する際は、信頼関係に応じて返答しやすい質問をする。

・信頼関係を築くことが難しい場合は、自分自身の話をすることで患者との心の距離を縮める。


 メンタルケアにおいては、病院スタッフと患者との信頼関係が大切です。そのため、患者と医療従事者という立場ではありますが、病院スタッフは患者に対して、決して上から目線で話すのではなく、一人の人間として対等な話し方で会話するように心がけなければなりません。

 身体機能の回復を早めるためにも、そしてその後の、日常生活や社会への復帰のためにも、リハビリにおいてメンタルケアは必要不可欠です。医療従事者は常に患者の精神状態に気を配り、患者が前向きにリハビリに取り組めるよう、尽力する必要があります。

●予防が重要

 上記したように、事後の治療や対処として様々なことが現場から求められていますが、健常者の場合は、そもそもそのような状態にならないように努めることが重要です。

そこで、予防に特化したプログラムの開発をDPTでは行なっています。それがコチラの動画です。↓

撮影協力モデル:京都大学 
環境マネジメント専攻 社会基盤親和技術論分野 修士課程 城ノ口 卓さん

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