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シャンパンしか与えられない

楽しくて仕方がない
もう何日も書き続けている
こんなことは初めてだ

頭がフラフラしてくると
水を飲みチョコチップクッキーを齧った

頭がグラグラしてくると
床に落ちて寝ていて
目覚めてまた椅子に座って書き始める

身体はボロボロなのに
楽しくて仕方がない
このまま書き死んでもいい

何度もドアを叩く音がして目覚めた
またいつのまにか床に落ちていた
近くにあったリネンシャツを羽織り
ドアを開けると彼がいた

そして今は海の上にいる
書くものは全て取り上げられ
シャンパンとフルーツしか与えられない
彼は飽きもせず
イルカのように優雅に泳いでいる

目の前で海に落ちていく太陽を見ても
真っ暗な空に浮かぶ大量の星を見ても
特に思うことはない

ただ雪の中で閉じ込められ見捨てられた
可哀想な女の運命が気になって仕方がない
頭に浮かんでくる物語の続きが
どんどん消えて行ってしまって
頭が爆発しそうに苦しい



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