コーヒーはコーヒーの味しかしない
『美味しいコーヒーってどんな味?』
私は父に以前聞いたことがあります。父はコーヒー愛好家です。毎週末朝食後に、今日はドコドコ産の豆だとか、これは○○と△△のブレンドだとか言って家族全員にコーヒーを淹れます。
ハッキリ言って私はコーヒーの味の違いが分かりません。コーヒーはコーヒーの味しかしないのです。
『さぁね、俺もこれは美味しい!ずっとこれの豆を買い続けよう!ずっとこの店でコーヒーを飲もう!って思ったコーヒーに出会った事は無いよ。だってコーヒーってコーヒーの味しかしないもの』
父はあっけらかんと答えました。私は今まで数えきれない種類のコーヒーを嗜んできた父ですらそんなものなのかと私は驚いた記憶があります。
酸味や苦味やコクが強い等等……大体のコーヒーのパッケージにはこれでもかと説明が買いていますが、だからってそれが美味しいと書いている訳ではありません。
何より私はブラックコーヒーよりホワイトモカ派でして、コーヒーに牛乳を混ぜて飲む甘党です。しかしそれで美味しいというのであれば、コーヒーがと言うよりかは牛乳の甘みが美味しいと言う話になってしまう気がするのです。
そもそも美味しいコーヒーの定義とは何でしょうか。
こちらのサイトを参考に、ざっくりまとめると“香りが良くてほんのり甘味がして、苦味や酸味が強すぎず後を引かない”というのが美味しいコーヒーの定義のようです。しかし、あくまで傾向であり個人の主観が強いようです。また、淹れ方(ドリップの材質、お湯の温度)などでも味が変わるとの事なので、確かに調べれば調べるほどコーヒーは奥深そうですし、沼にハマる人の気持ちも分かります。豆のみならず飲むまでの道具にこだわり出すとキリが無さそうです。飲料の側面のみでは無く、道具のコレクションとしての面も魅力の一部とも言えるでしょう。
実は私も毎朝コーヒーを飲みます。コーヒーの味の違いが分からない私は専ら近所の100均にあるインスタントコーヒーを淹れています。下記の方の記事と同じインスタントコーヒーです。
そんな私が先日、近所で1パック400円のドリップコーヒーを買って数日間ブラックで飲んだり、牛乳を混ぜたりして比較をしてみました。
100均のコーヒーは味が薄い
400円のコーヒーは酸味や苦味がガツンと来るが鼻からスーっと抜けて心地良い
400円のコーヒーの方が苦味は強いが後から来る酸味で後味というか口の中がサッパリする
牛乳と混ぜて飲むと100均コーヒーの方が甘味が強く感じられる(飲みやすい)
400円のコーヒーは香りがすごく良い。100均コーヒーは香りがほぼ無い?(鼻に残らない)
と、このようなコーヒー素人の私でもこのような違いを発見出来ました。基本的にはブラックで飲むときは400円コーヒーの方が美味しかったですが、牛乳や砂糖を混ぜるのでれば100円コーヒーの方が味が丸くまろやかな印象となり飲みやすかったです。
ただ一つ言えるのは、どちらがズバ抜けて美味しいという訳では無く、やはりコーヒーはコーヒーの味がすると言う事です。
自動販売機、仕事の取引先で出されたり、コンビニで…。自宅以外でも様々な場面でコーヒーを飲みます。ジュースなどの他の飲み物の選択肢があったとしてもコーヒーを最近は選ぶ事が多くなりました。これほどまでにコーヒーはコーヒーの味しかしないと言っても、コーヒーを選ぶのはなぜなのでしょうか?
コーヒーについて、今回私なりに分析した時に思ったことは“コーヒーはコーヒーの味しかしない”と言うのがキーポイントだと思うのです。
様々なコーヒーの味に占める酸味や苦味と言った部分の微妙な差異を私は美味しさに直結しているという訳ではありません。さらに、私のように牛乳と混ぜる派とブラックで飲む派とではまたコーヒーの味の好みの傾向が変わってくるものと考えられます。とは言ったものの、いくら苦味や酸味が多少強くてもコーヒーというのは、コーヒーとしての元の味が強いです。だからこそ私にとって“コーヒーはコーヒーの味しかしない”のです。コーヒー以外の飲み物は思いもよらぬ強い味がしたりして舌がビックリした経験がありますから、飲料において安定感のある味というのは選ばれる上で大切な事だと私は思います。
“コーヒーはコーヒーの味しかしない”というのは、私が舌バカという意味でもあります。しかし、だからこそ自分なりに美味しいコーヒーの味の探究をし続けて、豆や道具にこだわるのだと思います。コーヒーの味しかしないこの飲み物が世界中で愛される理由が分かりました。
コーヒーというのは改めて難しい飲み物だなと考えながら、今朝も私は1パック400円のドリップコーヒーを飲みながらnoteに取り組むのでした。
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