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魂の奥底を鷲掴みにされる展覧会 - 塩田千春展

糸は絡まり、切れ、解ける。それはまるで人間関係を表すようにわたしの心をいつも映し出す

血潮の様な深紅の糸に導かれ、私たちは旅を続ける。

血飛沫を上げる船が旅立つ。想いが噴き上がる。情熱は、血みどろ。

作曲家は向かう。もう音を出すことのない黒こげのピアノに。もう現世の音を聞くことのない客席に座る不在の存在に向かって。念の色は、黒。

ドレスを纏う人はもういない。存在の不在。でも、ドレスは在る。わたしも。そして誰かも。不在の存在にしてみれば、わたしの存在は未存在だろうけど。

でも旅は続く。思い思いの想いを詰めて。旅は、生命の軌跡。

両手では抱え切れない想いを抱いて、わたしは生きる。隣のあなたも。

狂気と芸術は紙一重。狂気がネガティブに向かうと、その糸は魂を絡めとる。自分も、他者も。ポジティブに向かえば、糸は繭になる。魂のゆりかごにもなりうる。どす黒い怨念すらも、アートになる。

圧巻。必見。

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