いしまるゆき

愛媛生まれ、テキサス育ちのwonderingwanderer。同時通訳、翻訳歴が20年…

いしまるゆき

愛媛生まれ、テキサス育ちのwonderingwanderer。同時通訳、翻訳歴が20年を超えました。言葉を食み、言葉を紡いで生きてます。得意な分野はIT、エンタメ、宇宙、時折のSDGs。迷子になっても散歩好き。記憶を飛ばせどお酒好き。

マガジン

  • だからエンタがやめられない

    感激の観劇備忘録。だってエンタが好きなんです

  • 大河ドラマ 「光る君へ」感想編

    今年もやります、大河ドラマ感想編

  • 人生が旅だとは言うけれど

    ふらふら旅の記憶の記録

  • 日々雑感

    なんちゃーない日々の独り言

  • 大河ドラマ「どうする家康」感想編

    「どうする家康」はどうなっていくのか。1年かけて、追ってみたいと思います。

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コトちゃん

コトバが好きです。これはもはや恋なんじゃないかと思うのです。活字中毒、とかではなく、コトバに永遠の片思いをしています。 コトバってやつは、性別的には多分女子です。いや、間違いなく女子です。 こちらに気がある素振りをしたかと思えば、翌日にはつれない態度になったりします。ああもうダメだ、この恋は一生成就しないのだ、なんて絶望の淵に立ち、涙で枕を濡らしていると、翌朝、目覚めた瞬間に満面の笑みを向けてくれたりするのです。そんな時のコトちゃんには、間違いなく後光が差しています。ああ

    • 【あの背中とは】 映画 「ルックバック」

      人は1人で産まれて、1人で死ぬ。 そして、その間に続く「人生」とやら言う時間の大半を費やすこととなる「何か」に対峙している時、人はやっぱり1人だ。 その孤独の中で「何か」に対する「好き」や「情」を持て余してしまうことも、しばしばだ。でもどうしてもその思いを手放せずに、もう少し、もう少しと手を伸ばし、背伸びをし続けてしまう。 無邪気に手を伸ばせば星に手が届くと思っていた幼い年月を経て尚、好きなことを好きでい続けられることは、努力だ。それは、御花畑的な道では決してない。自分

      • 【不実な女とは】 大河ドラマ 「光る君へ」 第27回

        前回、あれ?この2人はまた関係を持つのかしら?そしてもしやまさかのご懐妊?そんな都合の良い展開はないよね…? なんてうっすら妄想していたことが現実になった回でした。 月のさわりがこないことから逆算し、殿様の足が遠のいた頃だとすぐさま判断するいとは、賢明にもなるべくギリギリまで隠し通すよう助言するけれど、罪悪感を重視してすぐに宣孝にバラしちゃうまひろ。清濁併せ呑む父の姿に感服していたのはついこないだだったじゃーん。 対照的に、契る前に言った「不実なのはあいこ」を貫き通す宣孝

        • 【ちりとてちんとは】 落語 「春風亭一之輔 古今亭文菊 二人会」

          二人会が好きだ。 独演会だと、その師匠のワールドにどっぷりと浸れる。師匠の描く街に住む誰かに、師匠ならではのスポットが当てられていく楽しみがある。 演芸ホールだと、照明が当たる対象が、社会になる。そこに住む様々な住人が入れ替わり立ち替わり登場し、それぞれが少しの間主人公になる。社会の中の個人が持つ、様々なおかしみを感じることができる。 二人会に登場する師匠らは、「我」と「われ」のままで「我々」になる。三人集まれば社会になるけれど、2人だと社会は形成されない。独立している

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          【外道とは】 ゲキシネ 「朧の森に棲む鬼」

          いっそ清々しいほどゲスな悪党が主役だった。ゲスでクズでどうしようもなくセクシーな悪党をやらせたら仁左衛門の右に出る者はいないと思っているけれど、それに通じるものがあった。市川染五郎(現松本幸四郎)はもしかしたら、次の仁左衛門になるのかも知れない。 どこぞの田舎の小倅が、朧の森の三人のおぼろたちと、己の生き血(と命)と引き換えに王道を得るという取引をする。シェークスピア・ミーツ・ファウストという意味でも王道。ただし、「自分で自分の命を取る」ことを条件に。 舌先三寸で敵も味方

          【外道とは】 ゲキシネ 「朧の森に棲む鬼」

          【本物とは】 劇団チョコレートケーキ 「白き山」

          「師匠に求めるものは」という問いに対し、斎藤茂吉の弟子、山口茂吉はこう答える。 本物は、少ない。特に誰でも「クリエイター」になれる昨今、「本物」とは何かがよく分からなくなっている。 でも、本物に触れると分かるのだ。ああ、この人は、この作品は本物だ、と。 もしかしたら、何かが「本物」たり得るのは、本物であれという圧力に耐えうる能力の有無かも知れない。 本物風の人のめっきは、いずれ剥がれる。でも本物は、表面の輝きが鈍化したとて、その下から更なる輝きが生まれ出ずる。 本物

          【本物とは】 劇団チョコレートケーキ 「白き山」

          【アート酔いとは】 箱根でプチ「源氏物語」浴をしてきた話

          ちぃとぶりに箱根へと。え?なぜ箱根かって?そりゃ決まってます。 梅雨だから だってほれ、梅雨時に遠征して、雨に降られたら嫌じゃないですか。その点箱根ならすぐそこだし、雨が降ったら宿にお篭りでも十分楽しい。ってか、おこもりしたい!おこもりするぞ! くらいの気持ちでおりましたらね… 晴れたw 晴れたら晴れたで、晴れてる時に行きたい場所へ。まずは箱根彫刻の森美術館。 この芝生で、昼寝がしたかったなあ… 昔は入れたんじゃなかったっけ? 見応えありまくりなピカソ館。ガラス

          【アート酔いとは】 箱根でプチ「源氏物語」浴をしてきた話

          【無関心の罪とは】 映画 「関心領域」

          台詞数はそう多くない。ある家族の日常がひたすらに切り取られて流れていく。映像だけ見ていたら、それはどこの街にもいるだろう、中の上くらいの人々が紡ぐ日々の光景だ。子供達は遊び、学校へ行き、母親は自慢のお庭の手入れをしている。 だが、普通の日常と違うのは、音だ。背景でずっと聞こえ続ける不穏な音。叫び声、くぐもった怒声。銃声。夜になっても「荷」を燃やし続け、煙を吐き続ける炉は、隣人の顔を煌々と照らしだす。でもそれらの全てを、一家は、特に妻は無視し続ける。無関心であろうとする。

          【無関心の罪とは】 映画 「関心領域」

          【不条理とは】 ナイロン100°C 「江戸時代の思い出」

          https://www.cubeinc.co.jp/archives/theater/nylon49th 1部終わりに登場するこの一言が最高だった。 ケラリーノ・サンドロビッチさんの最新作は、ケラさん作品の中では個人的大好物なプロジェクションマッピングを(ほぼ)封印していたけれど、オモシロはこれでも喰らえ!ってくらいに盛り込みまくられていた。 上記の一言の演出も最高だった。 1部の終わりの暗転後、客席のあちこちにランダムにピンスポがあたり、彼ら彼女らの心の声が駄々漏ら

          【不条理とは】 ナイロン100°C 「江戸時代の思い出」

          【愛おしいとは】 大河ドラマ 「光る君へ」 第26回

          教科書的な道長像からは、はっきりと分岐した回でした。 姉からも「お前も身を切れ」と発破をかけられていましたが、これまで道長は権力闘争には関わらないスタンスを貫いてきました。そんな道長が何故栄華を極めることになったのか。そこに所謂史実とは別の世界線が提示されました。それがドラマの面白いところだと思います。本当のところなんて、誰にも分からない。 生贄は、価値あるものでなければ意味がない。価値があるからこそ、内裏を清めることができる。 倫子さんも初めは断固反対姿勢だったけれど

          【愛おしいとは】 大河ドラマ 「光る君へ」 第26回

          【尊いとは】 大河ドラマ 「光る君へ」 第25回

          道長とまひろの恋が終わり、「源氏物語」への布石が色々登場した回でした。 「お宝を使う」ことを「よおくよおくお考えください」と道長に助言する晴明。道長の娘ちゃんが内裏に入らんことには始まらない。布石1。 まひろへの求婚に対する正式な返事が来る前に、道長という外堀をとっとと埋めてしまう宣孝の策士ぶり。しかも道長に報告したことをまひろにも知らせてあっという間に内堀も埋める。こんなやり方を、嫌味なくさらりとできるのはもはや天賦の才としか言いようがありません。布石2。 しかも、ず

          【尊いとは】 大河ドラマ 「光る君へ」 第25回

          【自分とは】 大河ドラマ 「光る君へ」 第24回

          今週はこの一言一択でしょ!!!!!!な回でした。 周りにどんな人がいるかで当人の器量が分かると言いますが、宣孝が父の親友だったことで、父の、引いてはまひろ一家の器量を推して測ることもできるのです。 この人と一緒にいると、なんでか分からないけれど楽しい。この人と一緒にいると元気になる。万人にそう思われなくても良いけれど、誰しも誰かのそういう存在になれる。 この一言を言われて、宣孝好きにならない人いる?丸ごと受け止めるって、なんて漢気のある言葉でしょう… そして最後にま

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          【ネタバレとは】 大河ドラマ 「光る君へ」 第23回

          「目近に見える日野山の杉むらを埋むほどに雪が降り積もった。京の都の小塩山の松にも今日は雪が降っているのであろうか」 雪が降る京にいる道長の背後ショットがとても美しい回でした。 宋人が出てくるから、もっと漢詩メインな回になるかと思いきや、和歌と枕草子にスポットが当たっておりました。 「夢の中での貴方への通い路でも、夜の露がおりるのでしょうか。夜通し通っていた私の袖が濡れたまま乾かないのですから」 綺麗… これは帰国子女でも流石に知ってる!「いとをかし」を学んだやつ!

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          【(続)物語とは】 宝塚歌劇団星組公演 『BIG FISH (ビッグ・フィッシュ)』

          日々がどんなに凡庸に思えても、物語はどこにでも転がっている。それを面白がって生きることができれば、どんな人生も輝いて見える。 ありのままの毎日の事実だけを述べていても、無味乾燥なだけ。だったら多少なりとも物語の力を借りて、明日遭遇するかもしれないドラゴンについて、ワクワクしながら夢を見る。 今、大した能力もなく、凡庸な自分はどう生きればいいのかについて、迷子になっている。 そんな私に、凡庸でもいい、それを精一杯生きる。凡庸ながらにできることをする。誰かの為に。それを続け

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          【物語とは】 劇団おぼんろ 「聖ダジュメリ曲芸団」

          敬愛する劇団おぼんろの新作は、これまでとはちょっと毛色が違う作品でした。 なんてったってむーし狩る! 登場人物の大半が、害虫と呼ばれる虫の数々! おぼんろ物語の特色である、ダークな大人のファンタシーであることは変わらないけれど、ポップさはいつものマシマシでした。子供でも楽しめるけど、大人が見ると別の次元で刺してくる。ダークでえげつない原作グリム童話みたいな感じです。 海外ミュージカルで言うなら、「ウィキッド」方向。 戦争、政治、正義など、どうしても世情に紐づけて掘り

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          【異文化交流とは】 大河ドラマ 「光る君へ」 第22回

          異文化交流が始まった回でした。この時代での異文化交流をしっかり描いた作品、あまりないように思います。元寇も200年くらい後ですし。 今でもラムは苦手な方がいるのに、当時の日本人で「ジビエの臭み」に免疫があるのは、熊漁師さん位ではないかしら。ちなみに私はラムチョップ大好物なので、劇中登場したラムチョップがその後どなたのお腹に入ったのか、興味津々です。 字幕が多く出ないところも、異国感があって好き。音楽も現代的でハリウッド感がありました。第二部はこういうサウンドスケープになっ

          【異文化交流とは】 大河ドラマ 「光る君へ」 第22回