劇団チョコレートケーキ: 「治天ノ君」
「わたしの尊厳など、どうでもいいのだけれどなあ」
出自だけで、決して逃れられない運命を背負う人がいる。産まれ落ちた瞬間から国の象徴たることを余儀なくされ、無邪気な期待に対する拒否権すら与えられない、皇族の方々だ。
その皇族の中でも近代史上、ほぼ語られないのが大正天皇だ。その誕生日、8月31日は祝日ですらない。「あからさまな葬り方」という一言に震えがきた。
「決して運命から逃げないお方でした」
生まれつき病弱だったにも関わらず、宿命から目を背けず、偉大で強い父、明治天皇