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書かないこと

書くこととは書かないことでもある。
書いている最中に、消していく文章がある。
これは主題と関係なさすぎるな、とか、これは個人的な思い入れだけで、他人が読んでも意味がないな、とか、コンプライアンス的に問題があるな、などの理由で。
ここで主に書いているのは、子どものことや、音楽のこと、読んだ本のこと、創作関連。
逆に書かないこと。
政治や時事ニュース関連は、興味を持てないので、書かない。
子どもと見ている分以外にはアニメもドラマも追いかけていないし、映画も観なくなったので、よほどのことがない限り、書かない。
暗く、重くなりそうな、とても書けないようなこと、を書くつもりにもなれない。
逆に、すごく前向きな姿勢の文章も、性格上書けない。この辺りは今後心境の変化で書くかもしれない。

書いていることで、人となりが現れているように見えるが、「書いていないこと」でも同様にその人は表現されている。

人生のうち99%がひどいものだったとしても、少しでもマシだった、わずかな1%だけを抜き出して書けば、まるで100%幸せな人生のように見える。

仕事の実績にも似たようなことが言えて、
・何をしてきたか
だけでなく
・何をしてこなかったか
も立派な実績である。
積み重ねてきたことと同様に、積み重ねてこなかったこともまた実績である。

↑みたいな話は、主題から外れるので普段なら消してしまう部分。また別の話となるし。
今回はなんとなく残しておく。

夕焼けが綺麗だった、とか。
Twitterでいい俳句を見かけた、とか。
普段聴かないアーティストの曲がやけに響いた、とか。
どんな一日でも探せば1%の幸せはある。
それを肉付けして1を100に見せるか。
現実の諸問題をどうにか解決して、1の幸福を20や30にしていくか。

たくさんのことを書いてきた。
たくさんのことを書いてこなかった。
書いてきたことで私は構成されている。
書いてこなかったことでも私は構成されている。
また一つ、書く。
また一つ、消す。
必要以上に、消していく。
空白の中に隠れているものが滲み出してこないよう、バックスペースキーを押し続ける。
消したこともまた、積み重なっていく。

入院費用にあてさせていただきます。