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耳鳴り潰し72

 娘と一緒に来年から通う中学校に、支援学級の説明と学校見学に行ってきた。校門の前で同じような見学組の親子と出会い、パパさんに見覚えが……娘と同じ幼稚園のエリちゃんとそのパパさんだ! 記憶の中の幼稚園時代のエリちゃんと、もはや高校生くらいに見える現在のエリちゃんが重ならずに頭が混乱する。娘は「綺麗になったなあ」とおっさんのような誉め方をしていた。

 二年前、息子が幼稚園に入園した際に、娘の幼稚園時代のエピソードを思い出したことがあった。その際にエリちゃんの思い出も出てくる。

 かつてココが今の健三郎と同じ幼稚園「レッド・ホット・チリ・ペッパーズ」に通い出した頃、靴を脱いでまず年長組の教室を一周してから自分の教室に入っていたそうだ。そこでフィリピン人とのハーフである園児「エリちゃん」を追い回し、「ドント・タッチ・ミー」という、エリちゃんに言われたであろう英語を覚えて帰ってきた。思えばあの頃から「いとしのエリー」は界隈に響いていたのだ。

泥辺五郎「音楽小説集(現在凍結中)」内「いとしのエリー」より

 娘が追い回してたなあ、と遠い目。
 一時間目は保護者への説明会、子どもたちは別室で遊んでいた。二時間目は支援学級の見学や学校案内。授業中の支援学級へお邪魔するたびに、娘は秒で打ち解けて仲良くなっていた。いろいろ話を聞き出せていた。放課後デイ・サービスの顔見知りがいた教室もあったが、そうではない、初対面だけの教室でも同じことだった。我が子の社交性を絶賛するしかない。父は親類の前でくらいしか、いい感じには振る舞えなかったよ。

 校内を案内された中で、会議室だけ何故かドアが天井まであったのが気になった。かつて巨大な先生がいた名残りだろうか。エリちゃんはパパさんにべったりだった。うちの娘は私のお腹をポンポンとよく叩いていた。

 最後に入った支援学級のクラスで、娘は女生徒とハイタッチで別れた。
「最後の子可愛かったなー」なぜかちょいちょいおっさん目線になる娘。

 帰り際には、エリちゃんと同じ小学校の男の子とも仲良くなっていた。父には君の年頃にそのような社交性はなかったよ。

「千人伝」の続きを書こう! と思い立つ。「千人伝」はいわば「泥辺物語」の極北に位置づけられている。読者受けもジャンルも何もかも気にしない、やりたい放題の場所である。AIに生成させていた「どんな状態でも書き続ける作家」シリーズから相互にインスピレーションを受けて、五人追加する。生成画像も添えてみる。

・書き続ける作家鮫村
・書き続ける作家泥村
・叩きながら書き続けるドラ村
・書き続ける恐竜ジュラ村
・書き続ける男ウニ村

 自分の考える奇想と画像生成AIは相性がいいと思うのだけれど、そのあたりの言及はあまりされないので、気のせいかもしれない。

 息子が帰ってきた後、一応といった感じで公園に遊びに行く。雨の予報もあってか、カナちゃんには出会えず。ぽつぽつと降り出してきたので傘を差して「帰る?」と聞くとまだしばらく公園に居たいみたいだったので、散歩する。途端にニッポンお風呂バンド「雨の日の散歩」が頭の中で流れ出す。流れるだけでなく歌ってもみる。息子は何も気にしていない。

 娘が「彼氏が最近冷たい」とこぼし始めた。というか小学生同士の付き合いって何をするでもないまま自然消滅とかよくある話、知らんけど! 小学校時代にそのような経験は皆無ですけど! なんだこのビックリマーク!


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