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小手鞠るい「文豪中学生日記」

 主人公である西条春希は、新年をきっかけに日記を書き始めることにする。ネットではなく、ノートに手書きで。
 いくつかのルールを設定する。
 春希は女性ではあるが、紀貫之の逆バージョンで、男性の書き手として書くこととする。通っている中学校では文芸クラブの部長をしているので、地力がある。
 宿題をきっかけに詩も書き始め、詩の投稿サイトを知り、月間賞も獲得する。
 文章を書くことの喜びについても、苦しみについても書かれている小説。
 誰もが彼女のようには書けないし、うまく行くことも、集団の悪意にぶち当たることもあるわけでもない。
 けれど、書く人にとっては誰しも経験したことのある事柄を、発見出来るだろう。
 まず日記から。
 それも毎日絶対に、ではなく。
 別に中学生でもなくていいから、自分が始めたいと思ったタイミングで。
 そんなことを思いながら、最近は肩の力を抜いて思うがままに書き連ねている。










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