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読書系

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2022年1月の記事一覧

滝口悠生「死んでいない者」

 通夜に集まった大勢の親類の中の様々な人物に視点が飛び、それぞれの通夜を描き出す。酒を飲…

泥辺五郎
2年前
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村田沙耶香「コンビニ人間」

 コンビニ人間である主人公の女性が、周囲に蔓延する「普通の人」からの同調圧力に抗して普通…

泥辺五郎
2年前
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恒川光太郎「異神千夜」

 まだ数冊あると思っていたが、既刊の恒川光太郎作品はこれで全て読み終えてしまった。単行本…

泥辺五郎
2年前
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森内俊雄「夢のはじまり」(再読本)

 実家に住んでいた頃、最寄りの図書館で「リサイクルブックフェア」というのを年二回ほど開催…

泥辺五郎
2年前
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恒川光太郎「滅びの園」

 ぷにぷに。  プニプニ。  プーニー。  プーニー、プーニー。  大丈夫。正気。  大…

泥辺五郎
2年前
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恒川光太郎「真夜中のたずねびと」

 これまで読んだ恒川光太郎作品の内、長編では「金色機械」、短篇集ではこの「真夜中のたずね…

泥辺五郎
2年前

乙一「シライサン」

 ふと聞いた怪談に強力な呪いの力があり、聞いたことで伝播していくものだから、死の連鎖が止まらなくなっていく……という話。  発端となる怪談の聞かせ方が巧い。手の指を使い、右手と左手で、追う者と追われる者の演技をする。指の演技に見入っていると……。  この指演劇を、私はよくやる。  寝かしつけの時が多かったが、最近は日中やお風呂場でもやる。  今の流行りは「川へ洗濯に行くおばあさんと、遊び回るおじいさん。やがておばあさんがおじいさんを捕まえに来る」というお話。  最近はそこ

恒川光太郎「白昼夢の森の少女」

 和菓子のアンソロジー、BIG ISSUEなど、様々な所に書いてきた小説群をまとめた短編集。一貫…

泥辺五郎
2年前
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読書の方法30選

 本を読む方法は自由である。  代表的な30通りの読書法を紹介していく。 ・筋トレ読書  …

泥辺五郎
2年前
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恒川光太郎「私はフーイー 沖縄怪談短篇集」

 沖縄を舞台にした怪談集。中には人間の醜さが際立つ話もあり、辛くなる時もある。フィクショ…

泥辺五郎
2年前
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恒川光太郎「金色機械」

 おそらくは地球外から来た一族の持ち物であった「金色様」という、「なんでも記憶出来てもの…

泥辺五郎
2年前
5

恒川光太郎「竜が最後に帰る場所」

「もっとも自分らしい物語の揃った特別な自信作」と著者自ら述べる(文庫版解説より)短編集。…

泥辺五郎
2年前
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筒井康隆「驚愕の曠野」(再読本)

 筒井康隆の実験的な小説の一つ。地獄のような世界で、女性教師が子供たちに読み聞かせる物語…

泥辺五郎
2年前
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津村記久子「まともな家の子供はいない」

 ダイソーで買った200円の書見台が結構役に立っている。タブレット立てに使っている別の物は、挟む部分が狭いので本に跡がつく。こちらは構造が違うので本に優しい作りになっている。文庫本だとちょっと安定しなさそうだが、単行本にはぴったりだ。  空いた手で筋トレでもと思っていたが、すぐにやらなくなった。あえて両手には何もさせずに、全神経を文章だけに注ぐと、没入感が格段に上がった。本の中に入り込むように読める。  電子書籍の場合、読みやすいようにフォントを大きくしている分、ページめ