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競馬コラム

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競馬に触れ始めた方々の参考になればと思い、脈略なく書き記してみました。何かのお役に立てれば嬉しいです。
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#競馬はスポーツ

コラム35 2025年開催の主要な変更点 〜現状に合わせたレース体系の大胆な変更〜

コラム35 2025年開催の主要な変更点 〜現状に合わせたレース体系の大胆な変更〜

今年と比べた来年の主な変更点が、先日発表されましたので、報告します。
なお、暑熱対策は別の投稿で報告します。

◆ 阪神競馬場の再オープン
ファンにとって最も嬉しいことは、スタンドの改修工事が終わり、3月1日から阪神競馬場での競馬が再開されることです。
これで全10場開催に戻ります。

◆ 重賞の変更
全10場開催での興行再開に伴い、重賞の開催時期の変更(レース体系の変更)に留まらず、レース名称や

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コラム34 2025年の暑熱対策 〜ナイター開催は不可〜

コラム34 2025年の暑熱対策 〜ナイター開催は不可〜

今年から始まった暑熱対策、来年はもう一歩進めることが、先日発表されました。

◆ ナイター開催の可否
JRAからは、「暑熱対策を考えるにあたって、まずナイター開催から検討をスタートしましたが、大きなハードルがあります」と説明され、現時点でのナイター実施は非現実的との見解が示されました。

◆ ナイター開催不可の理由
具体的には、主な理由として、以下の4つが挙げられました。
(1)馬主や関係者、マス

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コラム33 騎手の帽子の色

コラム33 騎手の帽子の色

騎手の帽子の色は「枠順」で決まっています。決して勝負服に合わせて、自由にコーディネートしている訳ではありません。

◆ 枠の分け方
出走馬は最大8枠に分けられます。8頭以上になると外枠から複数にします。例えば13頭立てのレースだと、1から3枠までは1頭、4枠から8枠までは2頭ずつになります。
中央競馬(JRA)では最大18頭立てなので、1から6枠まで2頭ずつ、7枠と8枠が3頭というのが最大です。

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コラム30 2歳重賞

コラム30 2歳重賞

今週と来週で、夏の2歳重賞が3つ行われます。夏競馬の終幕が近づいていることを告げるメニューです。
わたしは2歳重賞を3つに大別して、楽しんでいます。

1.前半戦
夏競馬の期間中、函館、新潟、札幌、小倉の4つのローカル競馬場で、それぞれの競馬場の名を冠した重賞が行われます。(例:函館2歳ステークス)
それぞれの競走に距離、コース形状、芝の種類などの特徴があります。各地でデビューした馬が、特性にあっ

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コラム29 旧競馬場

コラム29 旧競馬場

◆ 関屋記念の"関屋"とは
今週末に行われる関屋記念。関屋とは以前競馬場があった場所の地名です。関屋競馬場は1964年、つまり今から60年前に廃止になっています。
なお、関屋競馬場の後継にあたる新潟競馬場は、1966年に開場しました。

◆ 旧競馬場の名を付けたレース
関屋記念以外にも旧競馬場の所在地の名を冠した重賞が幾つかあります。JRAでは、根岸ステークス、目黒記念、鳴尾記念などです。
NAR

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コラム28 ダートと芝の走り方の違い

コラム28 ダートと芝の走り方の違い

今日はダートと芝の走り方の違いについて、自分なりの考え(つまりは私見)をお話しします。私見なので、正解かどうか不明、且つちゃんと伝わるかも怪しい内容のこと、ご容赦ください。

◆ 走力を決める要素
走力を決める最大の要素は後脚の「蹴り」の力であり、これは馬場の種類によらず共通だと思います。反面、前脚の使い方は芝とダートで異なるように見えます。

◆ 前脚の使い方
芝の場合(特に日本の場合)、前脚が

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コラム26 夏競馬の格言

コラム26 夏競馬の格言

夏競馬には幾つかの有名な格言があります。ここで、少し紹介します。

◆ 夏は牝馬
夏競馬の最も有名な格言は「夏は牝馬」だと思います。文字通り、夏競馬は牝馬が強いという意味です。
確かに他のシーズンに比べて、夏に牝馬が優勝する比率が高いという統計結果が、ネットを検索すると幾つか示されています。

◆ 理由
筋肉量の少ない牝馬の方が身体に熱が溜まらないから体調が良いとか、調教を軽めにせざるを得ない夏は

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コラム25 サマー2000シリーズ

コラム25 サマー2000シリーズ

◆ レース構成
全部で5レース構成。全レース1965年に始まったレースで、今年で第60回を迎える伝統あるレースばかりです。東京オリンピックの翌年に、これだけ多くの重賞レースが一斉に創設された理由や背景を、わたしは不勉強で知りません。しかし、当時の判断が今のサマー2000シリーズに繋がっています。
具体的には、以下の通りです。日程は今年の開催日を参考に記しました。

・七夕賞(福島 G3 7月7日)

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コラム23 サマーマイルシリーズ

コラム23 サマーマイルシリーズ

◆ レース構成
2019年までは重賞の3レースだけで構成されていましたが、2020年から米子Sが対象レースに加わって、いまは4レースで構成されています。
具体的には、以下の通りです。日程は今年の開催日を参考に記しました。
ただし、今年は阪神競馬場の改装工事に伴う編成替えにより、中京記念が小倉競馬場で実施されます。そのため、今年の中京記念は1800mで行われます。

・米子ステークス(京都 リステッ

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コラム22 サマーシリーズ

コラム22 サマーシリーズ

今日は夏競馬の一大イベント「サマーシリーズ」のことを、お話しします。

◆ 概要
サマーシリーズは、G1のない夏競馬を盛り上げる施策として、2006年に生まれました。現在、スプリント(全6戦)、マイル(全4戦)、2000m(全5戦)の3カテゴリーがあります。
チャンピオンになると、馬主に3200万円(マイルは2400万円)、厩舎関係者に800万円(同600万円)の褒賞金が交付されます。
ただし、賑

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コラム21 「ダービー」の名の由来

コラム21 「ダービー」の名の由来

競馬の祭典「ダービー」は、世界各国にあります。それだけ競馬界の最重要レースとしての「ダービー」の名前は定着しています。
一方、サッカーなどで同じ地域のチーム同士の対決を「ダービーマッチ」といいます。
この2つのダービーには繋がりがあるのか考え、以前調べたことがあるので、以下でお話しします。内容に誤りがあったら、ご指摘下さい。

◆ 競馬のダービー
競馬のダービーは、18世紀後半の英国の貴族、第12

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コラム20 競馬界のカレンダー

コラム20 競馬界のカレンダー

競馬界のカレンダーは、基本1〜12月の暦どおりの1年間です。なので、年末になると翌年のレース日程が発表され、年明けには前年のJRA賞の表彰がなされます。そして、数え歳制を用いる競馬界は、元日に全馬が1歳ずつ歳を重ねます。

しかし、競馬には、もう一つ「ダービーからダービーまで」という、大切な考え方があります。ダービーウィークの後から、つまり今週から以下の2つのことが変わります。
1.2歳馬がデビュ

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コラム19 距離

コラム19 距離

【コラム19 距離】
レースには様々な距離があります。競馬を楽しむためにも、馬券を予想するためにも、距離はとても重要なポイントです。

◆ 距離別レース数
そこで古馬が出走できる、2024年の芝の重賞を距離別に集計してみました。括弧()内はG1レースの数です。
1000m = 1、1200m = 10(2)、
1400m = 5、1600m = 12(3)
1800m = 9、2000m = 14

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コラム18 根幹距離

コラム18 根幹距離

【コラム18 根幹距離】
◆ 根幹距離とは
競馬界には「根幹距離」と言う用語があります。具体的には1200m、1600m、2000m、2400mと、マイルと2000mを中心にした前後400mです。
これらの距離を根幹距離とした理由には諸説があり、私自身細かなことは分かりません。根幹距離という概念が昔からあったとしても、日本で用語として広く使われるようになったのは、それほど古くはない印象です。

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