🟩キオクシア(東芝メモリ)の買収交渉の行方
ウエスタンデジタルによるキオクシアの買収交渉が足踏み状態
🟩キオクシアの買収交渉足踏み
データストレージ製品大手ウエスタンデジタルが半導体メモリー大手キオクシアと進めていた200億ドル(約2.3兆円)規模の合併交渉が行き詰まっている。現在は交渉が保留となっているが、再開する可能性もあると報道されている。
買収報道自体に、キオクシアとウエスタンデジタルからはコメントはない。
ウエスタンディジタルとキオクシアの関係
ウエスタンデジタルとキオクシアはNANDフラッシュメモリを共同開発しています。2000年の東芝とサンディスクから続く関係です。ウエスタンディジタルは2015年にサンディスクを買収しました。東芝はメモリ事業を2017年に分社化し2019年にキオクシアが誕生しました。
会社の変遷
東芝 → キオクシア(旧東芝メモリ)
サンディスク→ウエスタンデジタル
http://www.kioxia-systems.co.jp/business/memory_controller.html
つまりウエスタンデジタルのフラッシュメモリは、キオクシアの四日市にある世界最大級の半導体工場で作られています。そんな互いをよく知る両者の買収交渉が足踏み状態の理由は何でしょうか?
🟩交渉が停滞している要因
キオクシアは、もともと新規株式公開(IPO)を2020年に計画していました。IPO時期は来年ずれ込む可能性が高いといわれています。IPOの遅れもあり、ウエスタンデジタルによる買収の話が出てきました。実現すればNANDメモリー業界の再編が進むことになります。
ウエスタンデジタルの株価下落
ウエスタンデジタルの株価は、2021年6月の年初来高値から約3割ほど株価下落しています。そのなめ資金調達がしずらくなっているようです。時価総額も177億ドルとなり、200億ドルとされるキオクシアの企業価値より低くなってしまった。
日本政府と東芝が難色
日本政府とキオクシア大株主の東芝が、懸念していることがネックになっているといいます。2019年にウエスタンディジタルは当時の東芝メモリ買収を試みました。しかし日本政府は買収ではなくて、日本企業であることに拘っていたようです。
キオクシアの業績不振
米中貿易摩擦の影響で、キオクシアは主要顧客である華為技術(ファーウェイ)からの売り上げが減少しています。キオクシアの2020年度3月期の業績は246億円の赤字となっています。
🟩まとめ
ウエスタンデジタルのキオクシアの買収交渉は、株価、日本政府、業績不振と複雑に絡み停滞している。
キオクシアはまず業績を上げて、企業価値を上げないとIPOで資金を確保できません。他のメモリー企業と違い、キオクシアはNANDフラッシュ以外の事業がありません。経営資源を集中できますので、是非頑張ってほしいです。
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