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SMICが上海に新工場建設へ

SMICは上海に約90億ドルの工場を建設する

🟩中国最大のファウンドリーSMIC

SMIC(中芯国際集成電路製造)は中国最大の半導体ファウンドリーです。中国のチップメーカーや米Qualcommを顧客にしています。最近の世界の半導体不足により、チップ製造サービスの価格の高騰の恩恵を受けて、2021年上半期に最高収益を上げました。

SMICは証券取引所への提出書類で、上海の林江特別区パイロット自由貿易区と合弁会社を設立する報告をしました。総投資額は88.7億ドルで、合弁会社の目的は半導体工場を建設および運営することです。合弁事業への投資額は55億ドルとなり51%の株式を取得し、工場の運営と製造に責任もちます。また上海政府が25%の株式を取得し、残りは第三者投資家が求められるようです。

🟩中国の半導体需要に対応するため

合弁プロジェクトは、上海エリアの集積回路産業の発展のための戦略的プロジェクトです。成長する中国市場と顧客のニーズを、満たすための事業開発となる。

米国の輸出規制リスト

2020年9月にSMICは米国商務省のエンティティリストに追加されました。これにより、米国の技術の輸入を禁止されています。SMICは中国で最も有望なファンドリーであるため、自立したチップ産業を構築するという、政府の思惑により合弁会社が設立されました。

SMICはアプライドマテリアルズやラムリサーチなどの米国の機器サプライヤーからは先端の技術機器は購入できないです。そのため米国政府とのコミュニケーションを続けながら、代替ソリューションを探しています。

🟩28nmプロセスの半導体工場

SMICは新しい工場がいつから生産を開始するか、明らかになっていません。生産能力は月産10万枚ウェーハで、28nm以上のプロセス技術を使用してチップを製造します。TSMCの現在の最先端プロセスは5nmなので、28nmは数世代前のプロセスになります。ただし製品としては、イメージセンサー、Wi-Fiチップ、ドライバーIC、マイクロコントローラーなど、供給が非常に不足しているチップに適しています。

🟩まとめ

半導体不足と中国国内での生産能力向上のため、SMICは政府と合弁で半導体工場を建設する。

最先端ではない28nmプロセスといっても、日本にとっては充分先端プロセスです。それでもSMICと同じように、政府と合弁で工場を新設するという話は、日本では出てこないでしょうね。

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