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映画は、ささやかな安楽死
ようやく「ルックバック」を観ました。
本当に藤本タツキの絵がそのまま動いていて感動しました。
アニメのような、漫画のような、CGのような。
独特な作画はスラムダンクの映画を思い出しますね。
プロの声優を起用しなかったのも、よりリアルさが感じられて見事な采配だったと思います。
胸が締め付けられて泣きそうになるシーンが何回もありました。
一番最初の藤野の背中が映し出され黙々と絵を描く、と言った何気ない一つ一つの描写がとにかく頭に残るんですよね。
原作にリスペクトを込めて、欲張らず小細工無しの58分にまとめた潔さも好きです。
値段は高くとも良いものにはお金を払う価値がある、を地で行った映画ですね。
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映画館が好きな理由の一つに、世界からの遮断があります。
視覚も、聴覚も、音が肌に当たって揺れる触覚も。
全てが映画に支配されて、映画以外に何も考えなくても良い。
暗闇にいる間は全てから解放されているような感覚があります。
この苦痛からの解放は、死と似ているのかな、とも思います。
映画館にいる間は、まるで死んだ時のような穏やかさを感じられるから好きです。
映画は、ささやかな、短い安楽死ですね。
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