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寺山修司『あゝ、荒野』読了 どめすの読書記録#1

通勤時読書勢のどめすです。
2週間ぐらいかけて読み終えた寺山修司『あゝ、荒野』について簡単に感想残していきます。

前提として、投稿主は寺山修司の作品に触れるのが初めてかつ、読書習慣がそこまで定着しているわけではないことをご了承ください。電車通勤するときの往復30~40分ぐらい、きりがよいところまで読み進める程度です。
そんな学生ぶりぐらいに少しずつ読書するぞ!と息巻いているアラサーの感想です。

まず読んでみての第一印象が、語彙力豊富~!(陳腐)。「言葉の錬金術師」と呼ばれているだけあって、いろんな表現がどばどば出てきて読み応えあるなぁと。ただ錬金術がすごすぎて、1つの人物や事柄について様々な言葉をあてがうため、混乱することもしばしば。笑
他にも作品があるので、ちょっとずつ寺山修司の裾野を広げて慣れていきたいと思います。

『あゝ、荒野』の時代背景が、自分が生きている現代よりも非常に前の時代になるため、想像力を働かせるのが難しい。そしてこれは地方民あるあるなのかな?よく小説の舞台となる東京や大阪、京都などの都会の情景が浮かびにくい。笑
そういったことを枷にしながら、ちまちまと読み進めていきました。

物語は吃音で片足が不自由な通称<バリカン>と、少年院を出てスカウトされた新次が、同じボクシングジムに入会することから始まる。<バリカン>にも新次にも、乗り越えたい過去がある。同じ時代を生きているほかの登場人物についても、自らの人生を吐露しながら安らぎを求めてさまよっている。

出てくる人物全員の癖が強いなぁと(癖がないと物語に出れない)。非常に人間臭いというか、心のうちのドロドロとしたものを吐き出してくるため、なんとも複雑な気持ちになる。
何考えとんねん!みたいなシーンや描写もけっこうあるので、驚くようなこともしばしば。
途中出てくる自殺について研究している学生サークルのリーダーみたいな人がめんどくせえなと思いながら読んでいました。笑

あとがきによると、『あゝ、荒野』は寺山修司初の長編小説で、大雑把なストーリーの筋を決めておいて、あとは即興で組み上げたとのこと。どういった生き方をすれば、何人もの人生を表現できるのだろうか。

時代背景は違えど、2017年に映画化もされているようなので、どんな解釈なのか観てみたいと思います。特にラストシーン、どうなるのか非常に楽しみです。

木村屋のパン、一度でいいから食べてみたいなぁ。


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