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天然鮎で鮎飯を作る

しっかりと秋の深まりを感じるのは、気温や気候からだけではない。鮎の体色の変化もまた、次第に秋の深まりつつあるのを教えてくれる要素の一つである。

この写真からもギリギリ分かるかもしれないのだが、鮎は産卵期の秋が近づくと下腹部に赤い帯状の模様が出来る。

夏から釣れる鮎であるが、この色が出てくると鮎を取るのは釣りから網へと移り変わり、鮎釣りもシーズン終わりが近づいていることを感じるようである。

何故伝聞調かといえば、鮎を釣るのは私の父であるからだ。何度か竿を持たせてもらって手伝ってもらい釣り上げたことはあるのだが、鮎釣りは全くといっていい程経験はない。

そんな父が一昨日、最上小国川にて二匹の天然鮎を釣り上げてきてくれた。これを塩焼きにするのは勿論美味なのだが、たまには別の楽しみ方をするのはどうかと思い、鮎飯にしてみることにした。

とはいえ、鮎に塩を振らずに焼くところまでは、塩焼きとほぼ同じ工程である。それをだし汁、塩、酒、醤油、味醂と共に米と合わせる。

私が作る場合、食べた時の食感のモチモチ感を出す為に炊き込みご飯には餅米を混ぜる。今回は白米2合に餅米1合の3合といった形にした。

炊き上がり
身をほぐして骨と頭を取り除けば完成

本来は土鍋で炊くのが良いのかもしれないが、現代は炊飯器でも十分に美味しく炊き込むことが出来る。今回も1枚目のように綺麗に炊き上がってくれた。

このままという訳にはいかないので、頭、骨、内臓を取り除いて身を残さずほぐしてご飯とかき混ぜて完成である。(因みに、頭、骨、内臓はしっかりと無駄にせず私の胃袋の中へと消えていった)。

鯛飯よりも風味は淡白であるし、秋刀魚を使ったサヨリ飯程の脂の旨味はないかもしれない。

だが、鮎の持つ独特の上品な風味と香りが楽しめる鮎を使ったからこその一品であるといえよう。今の時期の食卓にピッタリの一品を久々に作ることが出来て、とても満足しているし、釣ってきてくれた父に感謝である。

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