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音声詩集/銀の夜 第一夜/五行詩篇

━━━ プロローグ

始まりは銀の夜であった。
男は小高い丘の大樹にもたれる様にして、
白く輝く荘厳な都を見下ろしている。

吐く息は純白に染まり、ただ沈黙と
純真なシルフだけが夜の帷に語りかける。

夜空を見上げれば寂寥の旋律。
天穹では星々が衝突し閃光が迸る。
星辰の欠片が涙の大地に降り注ぐ。

男が気がついた時には、黄金の都は
恍惚の霞に再び包まれていた。


━━━ 天の蓋

天穹を廻る天の蓋
明滅の乱舞
逆止弁部の醜悪
放水 廃却への希望
蒸留の始終は忘却された

作 読書術研究家


━━━ 花花の季節

花花の季節
舞い散る花びら
魂の盃は満たされる
花の雫は煌めき
千年の花が咲き誇る

作 読書術研究家

━━━ 月の吐息

月夜の噴水は
玉桂を抱きしめる
成熟した真情は
一途な想いと添い遂げ
夜の影に落ちてゆく

作 読書術研究家


━━━ 忘却の境


葦原をそよぐ運命の風
静止する時の流れ
沈黙は香世界を見送る
寂寥は碧天を覆い
風来は朧を消散する

作 読書術研究家

━━━ 春暁

春暁はうららかに囀り
大海を東雲に染め
水鏡は桃色に暮れる
旋律は想念を和らげ
無窮の声が木霊する

作 読書術研究家



★★★


━━━ 「銀の夜」第一夜 註

#1 天の蓋

#2 花々の季節

#3 月の吐息

#4 忘却の境

#5 春暁


◆ #1〜#5 統合




To be continued




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