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「ママはどっちがいい?」

今私のアルバイト先ではシールキャンペーンという、買い物をしてシールを集めると景品がもらえるというキャンペーンをやっている。
ちなみにその景品は、シールを集めた枚数ごとにもらえる種類の幅が広がるようになっている。

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これは昨日私が働いていたときの話である。

1人の女の子とそのお母さんが、シールが綺麗に貼られた台紙をもってレジにやってきた。
台紙には35枚のシールが貼ってあったため、
シール15枚でもらえる景品と20枚でもらえる景品を一つずつ選べることになる。

「この中のどれにされますか?」

と私が聞くと、

「1つはこれ。」

と15枚でもらえる景品を指さした。

「もう一つこちらかこちらかかを選べますよ。」

と私は二つの景品を指差して女の子に聞いた。

「うーん。どうしよう。うーん。」

迷っているんだなと思うと、その女の子は

「ママはどっちがいい?」

と聞いたのだ。

その子の母親は「えー?」と驚いた顔をしたが、そのあとすぐに

「好きな方でいいんじゃない?」

と言った。女の子は3秒くらい考えたあと、

「じゃあこっち!」

と決めることができた。

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そのとき、私はふと自分の小さい頃を思い出した。

私の母親は私が選ぶ前にいつも

「こっちの方がよくない?そっちはダサいよ。
ねえ、店員さんもそう思うでしょ?」

と先に言ってきた。

小さかった私はそういうことが続くたびに自分が選ぶ方は「ダサい」んだと思い続けてきた。

今はダイバーシティという言葉があるように、ファッションにもだいぶん多様性が認められてきて昔よりは自信をなくすことがなかったが、
自分の好きなもの、自分が選ぶものに自信を持てるようになるまでに私はすごく時間がかかった。

私はその母親を見て、自分も将来子どもの選びたい方や好きなものを1番に尊重できる人になりたいと心から思った。

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