約束

失った衛星を探して二十四年、私はどうやらキラワレ者らしい。ということだけが分かった。捨てられてばっかりの人生だ、サヨナラすら言わせてもらいなんてね。口が悪いこと、小手先で隠してたら皮肉屋になっちゃった！　馬鹿らし、虚しいなあ。

失った衛星を探して二十五年、失った衛星ってなに？　分からないものばかり追いかけてたらバカになっちゃうよ？　（うつくしいという言葉を禁句にしようよ）どこかでカラスの群れが死んで、シャワーみたいに降ってくる。

言えない、言えないことばかりだから、いつか壊れて死んでしまうと、あなたは言ったんだ。死んでから壊れてやるから大丈夫だよ笑　大丈夫だよ笑　大丈夫だよ笑…うつくしいという言葉を燃やせ！

失った衛星を探して、踏切の前で立ち往生、しらないことばかり聞かれたら訳分かんなくなっちゃうよ！　宇宙の果てから砂漠の端まで、毎日探しているの。「失った衛星」って名前を付けた何かを。それは私が辿らなかった人生かもしれないにゃあ。あ、猫化。（この圏層ではウソをつくと猫になります）

私はどうやらキラワレ者らしい。ということだけが、二十五年生きてきて、はっきりと、分かった。それ以外のことは何も分かりません。私の確信が真であるかどうかも。だから何から何まで、私は破壊する。生まれた時から持っていたマシンガンをぶっ放して！

星々は夢。

私が愛していた物語は夢。

冬は夢。

（破壊される物語　私は猫化していく）

ワレモノは夢。

和算と線形代数も夢。

楽しさと悲しさも夢。

私が愛している一切は夢。

秋は夢。

ぬくもりも夢。

（マシンガンをぶっ放せ）

そして私は一匹の猫になってしまいましたにゃ。もう言葉も必要ありませんにゃ。（うつくしいという言葉だけがひつようです）憂いはなくなりましたにゃ。宇宙もなくなりましたにゃ。私は壊れているのですかにゃ？

（そうであれば私はもう死んでいる　死んでから壊れるように、私はあなたに固く約束をしていたのだから）