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どこかの町の高田
2024年3月15日 23:33
たいせつなものを、持っていきたいと思っても、すべてを持っていくことは難しく、私たちはただ旅人のように発っていくだけだ。と思ってしまうのは、いま私が旅の途上にあるからなのでしょうか。ずいぶんと春めいてきました。あたたかな夜と花粉、快さとむずがゆさの二律背反、これが私の春です。 ずいぶんと、たくさんのものを捨ててきたように思います。とるにたらないものも、たいせつなものも一緒くたに。そして、忘れな
2024年3月7日 00:20
詩には、人間や世界というものがみせる、さまざまな姿が顕れているような気がします。信仰、熱狂、沈黙、恋、愛、死、生、怒り、陶酔、喜び、かなしみ……挙げていけばきりがありませんが、それらはおそらく世界を鏡写しにしたものでしょう。私は、ずいぶん詩に助けられてきました。そして私を支えている詩人は、すでに死者となって私をめぐります。私はそれらの懐かしく、また生々しい彼らの話をしたいと望んでいます。 例