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考察: 優秀なプレイヤーを無能な管理職にしない方が生産性が高いケースも多いのでは

どうも、ゑんどうです。

これまで少なくない数の企業に所属し、成果や結果を出すことができないままに過ごしたこともあれば、貢献できたかもしれないなって思うところもあったりするので、いわゆる優秀なビジネスマンではないのがボクです。

いくつかの企業に属すことができたのは、それぞれの企業が懐の深い人たちだったってことに他ならないため、フリーランスとなった今でも感謝しきれません。ご迷惑をおかけしました。本当に。

ただ、どこに属していたとしても感じる違和感がありました。それは、どう考えてもプレイヤーとしての方が成果を出せるだろうと思う人が管理職になってしまい、生産性を損なっているだろうってケースについて。

どうして優秀なプレイヤーは、スペシャリストとして職能や保有する魅力的なスキルセットを存分に発揮することだけに特化することが許されず、管理職になることでしか給与を上げることができなくなるのでしょうか。

管理職はキャリアの上位に位置すると思われがちですが、優秀なスペシャリストを無理やり管理職にするのは間違いでしょう。

管理職スキルもプレイヤーとしてのスキルも同等に評価されるべきで、双方が立ってしまえばいいだけの話だろうとは思うものの、どうして無能な管理職を育むような土壌になってしまっているのかは甚だ疑問です。

優秀なスペシャリストの保有するユニークなスキルセットを認識・評価しない企業は、革新的なサービスを生み出す素地や、それを活かして成長する機会を逃している可能性があるとボクは考えています。

今回は、こんな風に優秀なスペシャリストを評価できるようにした方がいいのではないかってことをダラダラと書き連ねていきます。

スペシャリスト人材の価値

企業組織とは、個人ではできない規模で社会にある困りごとを解決するために寄り集まった集団であるとするならば、困りごとを解決するための専門的技術や知識が必要となります。

たとえば、ある企業Aが自社の新しく販売することが決まった商品の宣伝告知をしようと思っているものの、そのやり方もわからなければ知識もないとなった時に頼るのが広告代理店などになります。

頼もうとする理由は実績や経営者同士のつながりなどがあるでしょうが、根本的には専門性を有していることを対外的に認められるからであるはずで、ただの知りあいに宣伝告知を依頼するわけがありません。

広告代理店側も、他の代理店との差別化要因を用意しなければなりませんから、技術的な知見や専門的な知識、探究し続けているスキルセットを組み合わせて提案し、案件を勝ち取るわけです。

この差別化要因を誰が担っているのかといえば、代理店内にいる優秀なスペシャリスト人材に他なりません。

何も広告代理店だけの話ではなく、昨今、デジタルな技術が生活にもドンドンと落とし込まれている時代において、専門的・技術的な才能を保有する人の価値はかつてないほど重要なものとなっています。

IT、メディア、エンジニアリングなどの分野の熟練した専門家である優秀なスペシャリストは、所属企業に豊富な専門知識と経験をもたらし、自社の対象顧客のニーズを満たす製品とサービスを開発することを可能にします。

企業が設備や研究開発に予算を投じるのと同様に、技術的な才能を保有するスペシャリストの発見や成長へ投資することで、企業は生産性を高め、競争力を強化する文化を創造することができるといえるでしょう。

マネジメントのみのキャリアパスの弊害

次に、今回の本題に入ります。優秀なスペシャリスト人材を無理やり管理職にすることが、逆効果になるのではないかって点について。

多くの企業で、管理職はキャリアの次の論理的ステップと見なされがちですし、自分の給与テーブルを高い位置にしていくためには役職手当をつけてもらわないことには上がる要素がないって人事制度の企業も少なくないでしょう。

別にそれが悪いことだとは言いませんが、このアプローチだけに限定してしまうと、企業内にいる優秀なスペシャリストにとっても、その企業にとってもマイナスの結果をもたらす可能性があります。

人には得て不得手があるように、スペシャリストとして優秀な人はスペシャリストとして活躍してもらえるように環境を整備すべきです。優秀なプレイヤーは優秀な監督やコーチになれる保証などどこにもありません。

管理職に求められるのはチームや組織のマネジメント能力であり、十分な情報に基づいた意思決定や専門チームの効果的な管理に必要な技術的な知見や専門知識が不足してしまう可能性があります。

なぜなら、求められるスキルが異なる以上、日常づかいになるスキルを高める他にありません。

そうなってくると、スペシャリストとして専門的な知見やスキルを磨いていた時にはトレンドなどと組織リソースを加味した自身の働き方を追求すればよかったのに、管理職になった途端、他人の仕事内容と成果まで自身の責任になってしまうのですから、専門性が置き去りになってしまいます。

これは組織の生産性低下や仕事への満足度の低下につながる可能性がありますから、企業は、むしろ有能なスペシャリストが独自のスキルセットを犠牲にすることなく専門性を高め、その分野で昇進できるような別のキャリアパスを検討し、実際に評価できるようにすることが必要でしょう。

スペシャリスト人材の発見と育成環境の提供

外資系ではありますが、日本IBMでは管理職を評価するのと同じように、スペシャリスト人材にも同等の評価をする人事制度が設けられています。つまり、優秀な技術系人材を大切にし、企業の成長を維持・発展させていくための文化を醸成しているといえます。

どうしても専門性の高いスペシャリスト人材は職域だけで評価されてしまい、労働市場における希少性が各企業における給与水準の高低に直結してしまいますが、そこに管理能力まで求めるのは随分と酷なことではないでしょうか。

優秀なスペシャリストや、その候補をどうにか発見したのであれば、企業は維持・育成するために、メンター制度や専門トレーニング、従業員のスキルアップや専門分野での昇進に役立つリソースへのアクセスなど、成長の機会を提供する必要があります。

逆に、それを整備しないのであれば即座に逃げていくことを覚悟してください。

さらに、先述の通り、専門的な知見や魅力的なスキルセットを評価できる人事制度の策定・実施もする必要があり、管理職と同等の給与テーブルを与えられるのであれば、従業員のキャリアパスにも多様性が生まれます。

技術リーダーや専門的な職務に相応の評価する制度が敷かれることによって、従業員が専門性を身につけるための挑戦と成長の機会を提供するのです。

おわりに

企業は、優秀なスペシャリスト人材からの意見を重視しつつ、スペシャリストたちと経営陣のコラボレーションを促進する文化や気概を醸成する覚悟が必要だと思うのですが、なぜ、ボクみたいな無能が思いつくことを多くの企業で実施されていないのかが不思議でなりません。

資格手当ではなく、職能やスキルセットにお金を支払えるようにした方が健全な気がするのはボクだけでしょうか。

スペシャリストに憧れていながらも、中途半端な生き方しかできない無能でした。

ではでは。
ゑんどう(@ryosuke_endo


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