3Dプリンタの活用 ①スタンド
3Dモデル作成の神ソフト『Blender』や『Fusion360』などを使って,色んな物を作成できるようになりました.そしたら,やっぱり出力(プリントアウト)したくなりますよね?そうですよねっ?
3Dモデリングの始め方
手始めにスタンドのモデリングがおすすめです.
iPhone・iPad・Microsoft Surface・タブレットや立てかけ卓上カレンダー,なんでもいいから普段よく使うものでぱっと取り出したいけど場所を取りたくないといったものが必ずあるはずです.机を広く使うためにも立てかけましょう.
私の場合は,電子工作やIoTで用いる5インチ液晶モニタ用のスタンドです.
下の図で,透明の長方形の薄い板のようなものが5インチ液晶モニタで,それを左右1つずつのスタンドで支えます.
これらのスタンドの3Dデータは,以下の記事内に置いてあります.
うわっ.しょぼっ.そんな風に思わなくていいんです.こういうシンプルで実用的なものから始める方が上達します.
3Dデザインにより広がるアイデア
なぜ私が3Dデザインが好きかというと,BlenderやFusion360で形状をデザインしていると,最初にぼんやり思い描いていたものからどんどん形状が練られていくからです.特に勉強しようとしなくても,3Dモデリングソフトが扱えるようになります.そして,3Dプリントしたものを後加工したり組み付けたりと『あーでもない,こーでもない』と触っていると,改良点がどんどん見つかるからです.モニタ越しに眺めるのと,実際に手で触って確認するのとでは,全然違います.
先に示したスタンドの3Dモデルは,最初の構想のままモデリングしたものそのままです.まずは,画面上でぐるぐる回して様々な角度でフォルム・外観をじっくりと観察する.できれば,アセンブリしたり,断面カット表示,アニメーションなども作成してみる.そして,ダメ元で一度,3Dプリントしてみよう.
改良点を10個は挙げる
最近は,100均ショップでも恐ろしく素晴らしいアイデアグッズが売られている.圧倒的にデザインセンスで負けている.オッサンがぴぇ〜んと泣いていても誰も気にしてくれません.虚しいだけです.
デザインセンスの筋トレをしよう.
1.後加工
エッジが危なくないか.指や手を切る心配はないか.ありそうなところは,ラウンド(R)やチャンファー(C)/ベベル(B)をつける.
1〜4mmの間くらいで適切な寸法はどれくらいか,エッジ同士が交差しているところはどのような処置が相応しいかを考える.
2.穴
嵌合隙間は適切か.深さは適当か,あるいは貫通にした方がよかったか.
テーパー,ざぐりをつける必要はなかったか.
3.組み付け
組み付ける順番も考えたか.より手早く組み立てられる構造か.
4.分割
同じ機能なら,その部品点数が最善か.他の分割方法で後から,接着やネジ締結という方法も考えたか.
5.対称性
左右,上下対象だと,かちっとしたイメージになるし,量産なら生産コストも抑えられる.敢えて非対称や丸みを帯びたものにしたのであればその意味(価値)が本当にあったのかをよく吟味する.
6.共通化
部品点数を減らす工夫もさることながら,同じ部品を複数箇所でうまく利用できないかを考えてみる.これは工業製品の場合,コストダウンに大きく寄与する.
7.強度
一回の使用で壊れるほどの強度は最悪だが,オーバースペックも困りもの.適切な寿命設定という感覚も養いたい.
8.加工のしやすさ
CADなどコンピュータ上で簡単に形状は作れるようになったが,実際の加工は様々な制約条件や工具の得意不得意(ビットの交換回数を減らす)などを考慮して,加工コストを抑える工夫をしなければならない.
9.色
形状や用途に相応しい色味というものがある.参考となる類似品をよく観察して,色を選定する.塗料や材料,使用場所での光の当たり方によって,全く予想と異なる場合があるので要注意.
10.化粧
テクスチャ(シボ加工),刻印,ちょっとしたアイコンライクなデカールなどの遊び心も付け加えたい.
11.持ち運び
保管方法や持ち運びやすいかどうか,袋に入れやす/取り出しやすい,梱包が楽あるいはしなくてもすむといったことにも配慮する.
最後に,ちゃんと考えたいのは,渡し方.
スペシャルアタッチメントなのか普段使いなのか.
どんな意味の誰へのプレゼントなのかなど(意味深).
たかがスタンド.されどスタンド.工夫の証を立てかけませんか.
(気の利いたキャッチフレーズっぽい?およよ.合掌.)
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