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視点の自由研究No.68「視点_人によって鑑賞時間は変わる」

皆さんは漫画単行本一冊を読むのに何分くらいかかりますか?私の場合、単行本一冊につき大体30分くらいでしょうか。これがイラストレーターなど絵を描く人の場合、読む時間が伸びると言います。
それぞれの専門職になれば、その専門分野の見る視野や視点は広くも深くもなる。今回はそうした「鑑賞する」ということを考えてみたいと思います。

「CM」

私のような広告映像を仕事にしている者、あるいは広告を作っている人々ほど広告をしっかりと見ている人たちはいないでしょう。よく言われますが、広告を一番見ている人は広告を作っている人たちというのは本当のことだと思います。

かく言う私もご多分に漏れずCMはよく見ていると思います。どんなアイデアを企画にしているのか?演出はどんな感じなのか?ロケ地はどこなのか?出演者は誰が起用されているのか?どんな業種がよく流れているのか?

広告的なメッセージとは違い、世相や最近の旬のタレントなどを知る手掛かりはもちろん、そのCMの作りに至るまで気にしていると言えます。
ふとした瞬間に見たCMでもなんとなく覚えていたりするのもそうした習性によると思います。

「映画」

そんな映像を職業にした人間が映画を見るとどうなるのか?
まず一つ言えるのは劇場で見たいと第一に考えていることがあるかもしれません。

昨今の視聴方法として倍速視聴など見方も変わってきています。私自身で言えば余程のことがない限り、映画を倍速で見ることができない人間です。
見ている情報が多すぎるのかもしれません。逆に言うと映画慣れしているので、単館系のアート映画なども楽しんでいるのはそうした習性によるところが大きいと言えるでしょう。

特に子供が生まれてからは映画館で集中してみる機会を作っていくようになりました。一重に楽しみ方も千差万別と言えることなのかもしれません。

「鑑賞時間は変わる」

こうして書かせて頂いた通り、自分が専門としている業界であればあるほど見る時間、見立ては変わります。同じ時間でも視点や量が違う。

映像は時間の芸術とも言われるので、人によって鑑賞時間が変わることがないものだと言われてきました。しかし倍速視聴やスマホなどの登場により、どこでどんな風に見るかが人により大きく変わるものになりました。個人的には映画は等速でと言いたいですが、視聴方法を強制するのもおかしいなと考えています。やはりそれぞれの楽しみ方があっていいのが娯楽というもの。

そんな中でどう心に残してもらえるものを作るか?
作り手側の模索は今後もさらに進むでしょう。

私たちもそうした環境を意識して日々映像の作り方を研鑽しています。そのために色々な映像を今日も見ています。(という言い訳で映画も日々の合間を縫いしっかり見ていますよ。)

あなたにとって人より見ている時間が長いものはなんですか?
きっとそこに自分でも知らない自分のこだわりがあるはずです。




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