「ま〜ん」と「老害」の共通点:TCP/IPから学ぶコミュニケーションの3ステップ

こんにちは。

今日はふとトラブルが良く発生する若い女性(通称:ま〜ん)と、高齢男性(通称:老害)の共通点に関して書きたいと思います。

この記事では蔑称を使用していますが、「男性はバカ」「女性はバカ」といった性差による差別ではなく、コミュニケーションと言う面において気を抜くと「どちらもバカ」になりうる、ということをお伝えしたいと思います。

というのも、最近在宅勤務をしていたときに2階にいる妻から

「おーい!宅配便出しにいけ!」

と、一方的に命令されました。

私は健全な議論が出来ない場合は受け入れて諦めるスタイルなので、不本意ながらしぶしぶ2階まで行き、大きな段ボールを車で郵便局まで運びましたが、やはり何かひっかかる。

端的に言うと、とてもカチンとくるわけです。

でもなぜカチンときたのでしょうか?それはコミュニケーションで必要とされるリスペクトが感じられなかったからです。

コミュニケーションの3Step

人類は協力することが他の生物より秀でており、この強みにより現在のように地球を好きに使えるまで生存競争に勝ち残りました。

協力するために人類は"言葉"を発明し、コミュニケーションを武器にしました。コミュニケーション論は珠玉混合、数多あるのですが、ここでは世界中で長期間使用され、実用性が立証されている3ウェイハンドシェイクという概念をベースに説明します。

3ウェイハンドシェイクはコンピューター同士が情報をやり取りするときのコミュニケーションスキームで3ステップに分解できます。ざっくり解説すると以下のとおりです。

①通信確認:今話せますか?状況大丈夫ですか?

②状況返答:大丈夫ですよ!そっちも大丈夫ですか?

③通信開始:大丈夫ですありがとう!実はね、、

みたいな感じでコンピュータ同士は情報のやり取りを開始しています。通信が混んでいると②状況返答で「ちょっと無理!」と返信し、話しかけた方は少し待ってまた話しかけます。嗚呼、人よりも合理的で理想の世界。

問題は相手の状況確認を怠ることが原因

さて、もう一度このスキームに当てはめ、先の妻と私の会話で考えてみましょう。

妻:「ヲイ、今すぐ宅急便出せ!」←③通信開始

私:「Yes,Sir.」         ←泣き寝入り

そう、①と②が無いんです。

私は在宅勤務中なので適切に①通信確認(ごめんね、ちょっといまいい?等)があれば、②状況返答(ごめん、いま都合悪いから終わったら上行くね!等)と返します。

ところが、いきなり③通信開始(今すぐ宅急便出してこい!)という情報を剛速球で投げつけられ、強制的に仕事中断させられたから、カチンとくるわけです。(途中中断したものは、それ以上の時間をかけて別途やり直す必要があります。)

なので以下のようになれば、今回の理想形といえます。

妻:「いまいい?」←①通信確認

私:「ごめん今は無理。」←②状況返答

妻:「邪魔してごめん、じゃまたあとで。」←通信終了

~仕切り直し~

私:「さっきはごめん、今大丈夫?」←①通信確認

妻:「大丈夫よ!もう仕事はいいの?」←②状況返答

私:「大丈夫!さっきの要件なんだった?」←③通信開始

妻:「宅急便を出してほしいの」←通信内容

私:「Yes,Sir(ニッコリ)」   ←通信終了

チヤホヤされているときは問題なし!問題はその後。

この様に①通信確認、および②状況返答を無視することにより、コミュニケーションが正常に始められず、結果として喧嘩等のトラブルに繋がることはこれまで皆様にもご経験あるのではないでしょうか?

ただし、皆さんに朗報があります。「人は不快を避けるために勝手に学習する」という点も生存競争に勝ち抜いてきた一つの強みとして持っている点です。なので、上記のようなコミュニケーションの手抜きによるトラブルで不快な経験をすると、今後それを避けるために原因と対策を考え、次回はより上手くやるように我々人間は出来ています。

しかしこの様にコミュニケーションの開始確認を無視しがちな人は、結構存在します。勝手に学び修正するはずなのに、なぜでしょうか。

それは、これまで通信確認せずに情報を投げつけても、情報の受け手がグッとこらえることで問題化させず、トラブルにならなかったからです。このような対応に慣れてしまった人は通信確認の重要性に気づきません。

結果として周りの人に救われ、トラブルを経験していないので、行動を改める必要もなく、未だに通信確認プロセスをすっ飛ばすのです。

人はいつ「ま〜ん」や「老害」に変態するのか

では、どんな人が上記に該当するのでしょうか?

それが「ま〜ん」と「老害」であると私は考えます。この2つはそれぞれ背景は異なるものの、ある一定期間はいきなり通信を開始しても、周りの人がそれをいつでも(少なくても表面的には)喜んで受け取ってくれるのです。

「ま〜ん」に関しては、人にもよりますが20代後半くらいまでは、一般的には男性にとって魅力的に感じられ、口説きたくて仕方がないものです。なので何でも言うことを聞きます。寧ろ「ワガママ可愛い」とすら思っている節があります。

しかし、ある一定の年齢を超え、男性にとって魅力が減った瞬間に、このやり方は崩壊します。5年前には許せたはずの彼女の行動に、男性は苛つきを感じます。これが「ま〜ん」は自己中でトラブルメーカーだと感じる原因の一つであると考えます。(勿論女性の魅力は年齢だけに起因せず、年齢によらず素敵な女性も沢山いることはわざわざ述べるまでもありません。)

また、これは女性だけではなく、男性にも同じことが発生します。

男性の場合は若い時の魅力向上効果は少ないですが、逆に企業の中で歳を取り役職がついた瞬間に権力と言う名の魅力が増加しがちです。

権力ある高齢男性は社内で「ヲイ!これやれ!」と急に命令しても部下は「ハイ!」と答えてくれるのですが、悲しいかな権力は使用できる環境が限られます。

一歩外に出てコンビニで「ヲイ!俺のを先にやれ!」と言っても「ハア?なんでおっさん優先する必要が?」と反応されますし、家族に向かって「ヲイ!これやれ!」と吠えても、「あ?なんで命令すんの?忙しいの見て分からない?」と反発を食らいます。これが「老害」です。

基本に立ち戻り、人として生きよう

勿論上記例は一例です。若くてチヤホヤされて育ったボンボンみたいな若い男性もいれば、歳をとって権力を持ったお局様もいます。

彼らの厄介なところは、悪気がないところです。コミュニケーションの一般的な始め方を知らない、若しくは忘れているので罪悪感もありません。その結果、「なんかトラブルが多いな〜なんでだろう?」くらいにしか感じてないことでしょう。(一方的に周りを不快にするだけなので、それすら気づいてないかも)

処方箋としては他者からの愛のある指摘しかありません。しかしなかなか指摘できることではありませんし、分かりやすく説明するのも大変です。その点で、本記事は大変参考になるかと思います。

ですので、もしまわりにコミュニケーション不全で困っている人がいたら是非本記事をシェアして上げてください。本記事がご家族や職場でコミュニケーションに関して考えるキッカケになれば幸いです。


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