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私を突き動かすもの

皆さんは自分が何をしたいのか、なぜしたいのか、明確ですか?「これがしたくてたまらない!」という人も居れば、「色々やったけど未だにしっくりこない」という人も居るかと思います。

かくいう私も35歳を過ぎ、いい歳こいたオッサンですが、未だに自分でも何がしたいのか分からないと思うことが沢山あります。

けれど、それは悪いことでもなく、もう少し正確に言えば「『(自分が何を好きか)分からない』というより、『未開拓である』と捉えてもいいかも」と思うようになりました。元気な盛りだった20代を過ぎ、40代が見えてきた今だからこそ、そんな心境に至ったような気がします。

社会に出て色々経験してるはずだけど、ふとした瞬間にいつも頭に浮かぶのは同じ風景や出来事、言葉。それはきっと自分の中で価値観に強く結びついた事象だと私は思います。それが、時を重ねて自分の中で熟成されたり、結晶化していく。そうすると、改めて見返した時に新たな味わいがある。自分を動かす原動力が何なのかが、おぼろげながら見えてくる。

例えばこれは、私が10代の、大学生時代に出会った一編の詩のお話。

引っ込み思案な自分が飛び出すきっかけになった、アメリカ留学

私は小さい頃からどちらかというとおとなしい子供で、小学生時代はイラスト倶楽部に入って黙々と絵を描いたりするのが好きなタイプでした。中学生や高校生でも、皆んなで騒ぐのは好きだけど、自分から渦を作って皆を巻き込むというような人間ではありませんでした。

そんな生来の気質に大きな変化をもたらしたのは、大学時代のアメリカ留学でしょう。私の学部は1年間の留学が必須だったため、その学部に入学する=海外に留学する、というレールに自分を乗せることになります。親戚が留学をしていたこともあり、昔から興味があったものの、ここでも引っ込み思案だった私は、清水の舞台から飛び降りる思いで「えいっ!」とその学部へ入学を決め、きたる留学へ震えながら準備をしたのでした。

アメリカの本屋で出会った、一編の詩

アメリカでの留学生活はとても充実していました。カリフォルニアの片田舎で、日本人留学生が少ないキャンパスを選びましたが、皆のびのびとしていて、いい意味で誰も自分を気にしていない。目の前から「高円寺」というプリントが入ったTシャツを来た太っちょの女学生が、グラサンとショーツでママチャリを漕いでるけど、誰も気に留めない。必要以上に周囲の目を気にしていた自分には、その光景すら「自由だ…!」と映ったのでした(笑)

そんなある日、立ち寄った本屋のポストカードをぼんやりと眺めていると、黒地に青紫の字で、こんな詩を見つけました。

“Twenty years from now you will be more disappointed by the things that you didn’t do than by the ones you did do, so throw off the bowlines, sail away from safe harbor, catch the trade winds in your sails. Explore, Dream, Discover. “

「今から20年後、
君は自分が成したことよりも、
君が成さなかったことに後悔するだろう。
さあ、錨をあげよう。
慣れ親しんだ港に別れを告げて。
その帆にいっぱいの風をたくわえて。
冒険を。夢を。発見を。」
(一部を意訳しています)

とても素敵な詩です。当時、このポストカードを買って、いつの間にか失くしてしまいましたが、今もふとした瞬間に思い出してはGoogle検索して全文を読み返すことがあります。特に最後のExplore. Dream. Discover.は語調も良く、青年期に異国に飛び出した自分には響くものがありました。

あれから20年、私が見つけたもの

あれから20年近く、詩が投げかけたメッセージに対して私は何を探求し、夢見て、見出したのでしょうか。実に様々な人との出会いや、理不尽さ、栄光、挫折。それらを通じて得た教訓や思い出たち。例えばそれは「捨てる神あれば拾う神あり」とか、「自然のエネルギーの偉大さ」、「危機下の凌ぎ方」、「人の意志の強さが織りなす美しさ」、「家族との食事の温かさ」「視野狭窄が招いた誤ち」、「真のリーダーシップ」とか。一つ一つのテーマや言葉が、時を重ね、反芻を経て、自分の血肉となっていることを今になって感じます。そうした発見の一部を、これから少しずつ、私のDiscoveryとしてこのnoteにまとめていこうと思います。こうした今があるのは、あの時、ビビりまくりながら留学に踏み出した自分があるお陰だし、その一歩の先に新しい目標を見つけ、そこに向かい、気づきを得たからこそ。でもそれは、予め予見出来たものではありませんでした。今のところ、私の人生は、20年前の自分が思っていた自分の完全にナナメ上を行っています。

今思うと、出会うべくして出会った1つの詩が、無意識/意識の両方を行ったり来たりしながら、私のバックボーンとなり、価値観を形成し、私を次の世界へ突き動かしていたのだと思います。そして今日、noteを書くにあたって久しぶりにこの詩の全文を検索したところ、マーク・トゥエインが作者だと知りました。これも新しい探求と発見です。

あなたの詩、あなたの原風景、あなたを突き動かすモノは何ですか?ぜひ教えてください。

DNRO

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