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何かをオススメしたいときに使ってみたい「魔法の前置き」

僕は誰かと飲むのは好きですが、家でひとり酒をすることはありません。進んで「飲みたい!」というタイプではないのです。

ただ、たまに「飲みたくなるお酒」に出会うことがあります。

鍵となるのは、店員さんのオススメ内容。

「美味しいですよ」⇒ときめきません❌
「人気があります」⇒ときめきません❌
「淡麗」「辛口」「のどごし」⇒わかりません❌

では、どういったものが心を動かすのかというと……。

「このお酒はちょっと面白くて」⇒なに気になる💖

で、まさに先日、この前置きからお酒を勧められたんです。

ラベルに「ブリ」のイラストがデカデカと!

「Brease(ブリーズ)」とは「Buri」と「prease」をかけた名前。

ここは、ブリ料理が自慢のお店なんですが、まさにストライクでした。

ブリーズは寒ブリの名産地・佐渡島で生まれたお酒で、昨年11月25日から発売しています。

醸造元の尾畑酒造さんが追い求めたコンセプトは「ブリに合う日本酒」

つくり方もちょっと変わっていて……。

はじめに社内でブリと相性が良さそうな5種類を用意し、次に味覚センサーという味を数値化する装置を使って絞り込む。そしてより最適なアルコール度数に調整して商品化したそうです。

まさしく、ブリ専用のお酒。このように背景にある情報を上乗せされると、飲みたくなってしまいます。

例えば、こんなお酒はどうですか?

富士山麓に出現する「幻の湖」から生まれたワイン。

富士五湖のひとつ、精進湖の南東には数年に一度「赤池」という湖が出現します。普段は湿地なんですが、台風や大雨の影響を受けると出現するとされています。近年では2004年、11年、20年に見られたとか。

実はこの幻の湖ではワイン酵母が採取できるそうで(!)、それを培養してつくったのが「赤池幻酵母ワイン」(そのままなネーミング)なんです。

……なーんて勧められたら、飲んでみたくなりません?

あるいは、球春到来ということでこんなお酒はどうですか?

野球発祥の地でつくったウイスキーで、ボトルが個性的。

アメリカ・ニューヨーク州クーパーズタウンは「南北戦争の英雄」アブナー・ダブルデー将軍が野球を考案した地として知られています。現在、野球殿堂博物館がある街ですね。

そんな土地でつくったウイスキーのボトルは、なんと野球のボール型。デザイン特許も取得しているんです。

……なーんて勧められたら、飲んでみたくなりません?

こういうテクニックって、お酒に限らず有効だと思うんですよ。

僕は毎週、アスリートをTVで紹介する仕事をしています。「次は誰を取り上げる?」なんて企画会議も行なっていますが、その際に「この選手はちょっと面白くて」なんて前置きをされると、興味を引かれます。

パッと思いついた例だと、クレー射撃の石原奈央子選手は環境が「ちょっと面白くて」……。

実は、実家が1300年の歴史を誇る神社。天狗だらけの境内で神職を務めているんです。敷地が2万5000坪と広大で、その一角には祖父の代から続く射撃の練習場もあるという。現在、46歳。2度目の五輪代表に内定しています。

……なーんてプレゼンされたら、見たくなりません?

あなたがもし、何かの企画を通したいとき、何かの商品を買わせたいとき、何かをオススメしたいときは「ちょっと面白くて」という前置きと、その背景にある情報を上乗せしてみませんか? きっと成功率はグッと上がりますよ😉

最後に、ブリーズと合わせて食べたブリ料理の画像をどうぞ。脳内でマリアージュしてみてください😋

こちらは、ブリのレアカツ。

そして、こちらがブリ大根。醤油とみりんを使わないで、ぶりと昆布の出汁だけで煮込んだ一品です。ほんのり香る柚子が、いい仕事をしていました。

ごちそうさまでした。

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