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『忠臣蔵』から討ち入りを省くという新発想

突然ですが、これってどう思います?

討ち入りの場面を描かない『忠臣蔵』の映画。

本来ならクライマックスとなる部分が割愛されているわけです。物語として成立しているでしょうか。

実は……、するんです。

実際にそんな作品と出会ってしまいました。きょうは、そこから得た〝アイデア発想法〟のお話をします。


その作品を僕はAmazon Prime ビデオで見ました。

『決算!忠臣蔵』

一体どうして討ち入りの場面が描かれなかったのか。

それは従来の『忠臣蔵』とは切り口が違うからなんです。

テーマとなっているのは「忠義」ではなく「お金」

お家を再興するにもお金がかかる。
討ち入りをするにもお金がかかる。
どっちを選ぶにしても、経費削減!
さあ、どうしたものか、大石内蔵助?

っていう笑

藩は会社であり、武士はサラリーマン。働く男たちの悲喜こもごもが描かれていて、なんだか笑えてきてしまう。

ほら、いつもと違うでしょう?

大石「来年3月、殿の命日に……、吉良を討つ!」
経理「3月までもちまへんで」
大石「なんでやねん!」

みたいな笑

テーマを「忠義」から「お金」に変えることで、クライマックスが討ち入りである必要がなくなるんですね。

では『決算!忠臣蔵』のクライマックスはどこになるのかというと……、

討ち入り前夜の作戦会議なんです。

万全を期すためには装備にお金がかかる。
でも、予算は限られている。
本当に必要な経費はどれだ?
さあ、どうしたものか、大石内蔵助?

っていう笑

物語は「みごと決算!」となったところで、ほぼ終了。あとはナレーションで引き取って、後日談を紹介しただけ。

確かに討ち入りの時点で予算は使い切っているのだから、オチはついているわけです。討ち入りを描いても蛇足というものでしょう。

ほら、討ち入りがなくても成立しているんですよ。


この作品から僕が得たヒント。

どんなに使い古された物語でも、切り口を変えたら新しいものになる。

でも、その切り口を見つけるのが大変なんですよね。

だったら、こう考えてみたらどうでしょう。

一番大事だと思う部分を省いてみる。

代わりに、どこを膨らませるか。どんなテーマで膨らませるか。

例えば『桃太郎』から鬼退治を省いてみる。

おじいさんとおばあさん目線にして、桃太郎が巣立つまでを描いたら? テーマは高齢者の子育て。とか。

あー、今までこういう発想はあまりなかったな。

なんだか頭が柔らかくなった気がします。


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