『忠臣蔵』から討ち入りを省くという新発想
突然ですが、これってどう思います?
討ち入りの場面を描かない『忠臣蔵』の映画。
本来ならクライマックスとなる部分が割愛されているわけです。物語として成立しているでしょうか。
実は……、するんです。
実際にそんな作品と出会ってしまいました。きょうは、そこから得た〝アイデア発想法〟のお話をします。
その作品を僕はAmazon Prime ビデオで見ました。
『決算!忠臣蔵』
一体どうして討ち入りの場面が描かれなかったのか。
それは従来の『忠臣蔵』とは切り口が違うからなんです。
テーマとなっているのは「忠義」ではなく「お金」
お家を再興するにもお金がかかる。
討ち入りをするにもお金がかかる。
どっちを選ぶにしても、経費削減!
さあ、どうしたものか、大石内蔵助?
っていう笑
藩は会社であり、武士はサラリーマン。働く男たちの悲喜こもごもが描かれていて、なんだか笑えてきてしまう。
ほら、いつもと違うでしょう?
みたいな笑
テーマを「忠義」から「お金」に変えることで、クライマックスが討ち入りである必要がなくなるんですね。
では『決算!忠臣蔵』のクライマックスはどこになるのかというと……、
討ち入り前夜の作戦会議なんです。
万全を期すためには装備にお金がかかる。
でも、予算は限られている。
本当に必要な経費はどれだ?
さあ、どうしたものか、大石内蔵助?
っていう笑
物語は「みごと決算!」となったところで、ほぼ終了。あとはナレーションで引き取って、後日談を紹介しただけ。
確かに討ち入りの時点で予算は使い切っているのだから、オチはついているわけです。討ち入りを描いても蛇足というものでしょう。
ほら、討ち入りがなくても成立しているんですよ。
この作品から僕が得たヒント。
どんなに使い古された物語でも、切り口を変えたら新しいものになる。
でも、その切り口を見つけるのが大変なんですよね。
だったら、こう考えてみたらどうでしょう。
一番大事だと思う部分を省いてみる。
代わりに、どこを膨らませるか。どんなテーマで膨らませるか。
例えば『桃太郎』から鬼退治を省いてみる。
おじいさんとおばあさん目線にして、桃太郎が巣立つまでを描いたら? テーマは高齢者の子育て。とか。
あー、今までこういう発想はあまりなかったな。
なんだか頭が柔らかくなった気がします。
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