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シリーズ物:仕事と成長って?①

働き方改革は社員一人一人の成長を促すものである。

よく言われる話ですし、実際そうした物であるべきと考えていますが、現実はその「成長」という概念が少し尖がって解釈されているようなケースもあります。

本記事では2回に分けて、働く側に求められる「成長」の真の狙いと姿を、ごとうなりに紐解いていきたいと思います。

仕事と成長

▼戦力の最大化には「その仕事」だけでは不十分⇒今日はコレ!
▼人間的成長こそが最大の成果をもたらす

よく企業の研修で「仕事を通じて成長を促すような話をお願いしたい」という要望を頂きます。かれこれ4年くらい、そうしたテーマであちこちでお話してきましたが、最近これについては、特に要望される側に2種類の意図が隠れているのではないかと考えるようになりました。

企業が期待する成長

働き方改革に企業が期待することは「①業績向上(内的な話)」「②地域貢献(外的な話)→社員がワークもライフも両立でき、社会課題(子育てや介護との両立、地域防災やボランティア活動にも参画していくことが出来る)の解決にも寄与していく→社員の視点の多様化と自己実現→人間的成長」という2種類があるように感じています。

ですが、この2つは相反するものではありません。経験上、「②を実現できれば①はついてくるもの」だと感じます。

しかし、現実的には「①”のみ”」を目的語と捉えた要望が多いです。企業としては「社員=戦力」であり、その戦力を最大化することは事業継続の必要十分条件です。そしてそこには「いついかなる時も、会社のために粉骨砕身して働く人材を育てたい」という意図、言うなれば「忠実な兵士を育成したい」という意図が隠れていることが多いのです。

ですが、これだけでは、企業が求める「社員の成長」は限定的なものに留まり、より大きな成果を出すためには力不足です。加えて多くの企業には、その成果とサービスを通じて顧客のニーズを満たすこと、それにより地域に貢献することや、地域課題を解決することが本来求められていますが、忠実な兵士を育成するだけではそうした「社会貢献」という本質的なミッションを実現することは困難になります。

勿論、そうではない企業も沢山あります。そして面白いことに、そうした企業ほど、働き方改革で事業の成長や社員満足向上に成功しているんですよね。

では、何でそんな事になるのかを、今日はファイナルファンタジーを通じて考えます。

FFに学ぶ

ファイナルファンタジーの世界において、モンスターを退治することは「世界を守る」という目的の達成につながります。これはいわば、主人公一行の「最終的な事業目的」でもあり、一行が社会に対する「最大限の貢献」と言えます。

このため、一行はどうするのか。当然、レベルを上げて、強い武器防具を揃えます。しかし、戦いの術を学び、武器防具をそろえたらじゃあ勝てるのか。この問いに対しての答えは明確に「NO」です。敵に合わせた戦略やジョブの選択、町や村の人々から得られる情報、宿屋での休息、ドワーフや飛空艇技師のような協力者との繋がりが全て揃ってこそ、万全の態勢で「世界を守る」戦いに身を投じることが出来、世界を守るというミッションを達成し、世界平和と言う社会的なミッションに貢献することが出来るのです。

磁力の洞窟では、ボスであるダークエルフの弱点が金属製の装備です。この弱点を補うため、ダークエルフは魔力で洞窟全体に磁力を張り巡らし、冒険者が金属製の武具を装備できない環境を整えているのです。

金属製の剣や爪が装備できないというハンデを抱えたセシルたちは、窮地に陥ります。しかし、それを打ち破るため、重症のギルバートが「悪いエルフを懲らしめる詩」をひそひそう(今風に言えばスマホ)を通じて、セシルたちに届けます。彼の協力により、ダークエルフの魔力は乱れ、セシルたちは再び金属製の武具を装備し、ダークエルフを打倒します。

これこそ、先述の「②」にあたる要因です。誰しも武器防具やレベルアップだけでは戦えません。それを支える様々な繋がりや情報があってこそ、武器防具の性能や育て上げた能力を万全に発揮することが出来るのです。

逆にひたすら強い武器だけをそろえて、レベルだけを上げるのは「①」に該当します。短期的には通用するかもしれませんが、ただ敵を倒すことだけで世界は平和にはなりませんし、力押しだけではどうにもならない局面を打破できません。そこに存在する人々の思いや願い、抱える課題。そうしたものを背負って戦うからこそ、人々は勇者一行を認めて支援し、勇者も勇者足りえる存在として自己を確立することが出来るのです。

そもそもの仕事の目的

「収入を得て、経済的な自立をする」。これが一般の社員の抱く仕事の目的の過半だと思います。そりゃそうですよね。

でも、それと同じくらい大事なのは「どんなに小さくとも結果を出し、評価をされ、やりがいや誇り、更には生きがいを感じることが出来る」こと、また、「多くの人と協力し、課題を解決することへの達成感や、人と人との繋がりに大きな価値を感じる」ことなのではないだろうか…と、ごとうは思います。

それが所謂、達成感や充実感、成長の実感や連帯感に繋がりますし、それが同時に経済的な自立、さらには地域の課題解決や様々な協力の後押しにも繋がっていきます。武器だけを揃えてレベルを上げていけば、確かに短期的には「俺ツエ―」で無双出来るかもしれません。しかし「道義なき力はただの力」でしかありませんし、力の使い方を誤ってしまう事もあるかもしれません(アニメとかのラスボスってこのパターン多いですよね)。自身を取り巻く人々との関係や存在する世界との関係、守るべき人の存在。そうした要因が「力の使い方」を導くのです。

働き方改革も同じです。成長を実感させ、社員の戦力を最大化する。そのためには、「その会社”だけ”で通用するスキルやマインド」を育てるだけでは足りないのです。それを支える心身の充実や多様な繋がり。そうした多様な要因が揃ってこそ、社員は達成感や充実感を感じ、成長と連帯感を自覚でき、その小さな成長の一つ一つが、より大きな社会への貢献につながっていくのです


★次回は、そうした成長をしていくため、「社員一人一人」が心身の充実や繋がりを私生活でどう作っていくのかをお話しますね

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