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day2.フリーランスの響きのせいで事の重大さを実感できない

会社員に向かないと悩んでいる人に対して、安易に「起業しちゃえば?」と言わないほうが良いことを、最近実感している。

大手企業で朝から晩までバリバリ働く夫は長年「ごきげんは独立して年間2000万円くらい稼ぐようになって早く僕を専業主夫にしてほしい」と話していたのだが、近ごろ手に職をつけてフリーランスでやっていきたいと言い始めた私に対してとても冷ややかだ。
(あなたが)起業しなよって最近言わなくなったのは、(私が)本当に起業を考え始めたから。そういうことか。

私のような継続できないマンの特徴として「行動力の最大瞬間風速値が大きい」ことが挙げられる。現在のように仕事に見切りをつけるスピードもさることながら、これまでも夜中に思い立ってはウェブサイトを立ち上げ、異文化勉強会を開催したり海外生活のディープな体験をブログに認めたりしていたが、日本と海外を往復する生活を考慮しなかったのが敗因で長くは続かなかった。そもそも、現職を通して起業家たちの話を聞くなかで、大成功を収めている起業家ほど思いつきで事業を始めていないことも最近知った。

しかし昨晩も例にもれず、さあ起業しよう仕事を辞めようと思い立ち、新しいことを始められる喜びとパワーに満ち満ちた私は、夜帰宅した夫に退職とフリーランスライター計画を話したところ第一声から冷静に止められる結果となった。さみしからずや道を説く君。

奇しくも夫は社内起業本を読んでいるため「フリーランサーは起業家なんだから、やりたいことの軸を考えた方がいいよ」とアドバイスをくれた。

・どんな記事を書きたいか(インタビュー/ニュース記事/エッセイetc..)
・自分の仕事の特徴は何か(仕事が早い/専門知識があるetc..)
・どこから収益を上げるか(記事の依頼主から/記事の読者から)

これらのポイントや自分で考えていたことも含めて話し合った結果、まずは試しに毎日noteを書いてみることに決まった。夫には気軽に提案されたのだが、こちとら三十余年もの月日、心に三日坊主を住まわせてきた身である。言うは易く続けるは難し。気軽に書けると噂のnoteのUIに望みを託して迎える2日目も、もう気づけば丑三つ時。

明日からは、現職場スタートアップのやり方に沿って上のポイント3つを掘り下げて考えていこうと思う。

***

ちなみに。フリーランスの語源は「敵陣と契約していない傭兵」だそう。フリーランサーなんていう、ダンサーやオタサーやマークパンサーのようなふわふわした響きとは裏腹に、実にイカツい語源である。「24時間戦えますか」の問いにNOを突きつけ企業戦士から独立してもなお、戦力として搾取される名をあてがわれる現実に、強烈な皮肉を感じるのであった。

この街は戦場で、男も女も傷を負った戦士なんだ。一晩中泣いて泣いて気が付いたり呑んで呑んで酔いつぶれて眠る戦士が、今日もこの街のどこかにいる。


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