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「多様性」は仕事の成果に直結する。営業担当イチオシ、今年一番面白いビジネス書!

こんにちは!
インターン生の田山です。

本日は、ディスカヴァー屈指の営業担当・川島さんが、「今年一番面白いビジネス書!」と太鼓判を押す、今年6月に発売した『多様性の科学』(マシュー・サイド 著)についてお話を伺います。

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実は私自身、本書の「多様性」×「科学」という聞きなれない組み合わせに、発売当初からひそかに目を付けていたので、今回のインタビューは願ったりかなったりでした。

入社7年目の川島さんは、入社1年目で営業の新人賞を獲得、今年からは電子書籍・オーディオブックの営業を担当しています。国内外のビジネス書全般に精通されている歴戦の猛者ですが、仕事に限らず、歴史、投資、健康など、その関心分野は多岐に渡るそうです。

そんな “万物の人” 川島さんが、わざわざインタビュー記事で発信したくなるほどの魅力とはいったい——?


「今年一番面白いビジネス書!」その理由は?

——まず、川島さんがこの本を推している理由を教えてください

自分はビジネス書をよく読むのですが、『多様性の科学』今年の上半期一、二を争う良書だと信じています。

本書の魅力はズバリ、“「多様性」が仕事の成果に直結する” ことを科学的に説明している点です。

最近「多様性」の有用性が叫ばれています。それにも関わらず、なかなかダイバーシティが推進されないのは、「多様性」がアート的な文脈で直感的に捉えられることが多いからです。

山口周さんの『世界のエリートはなぜ美意識を鍛えるのか』 (光文社新書)で「ビジネス×アート」が注目されましたが、未だに、アート(直感)は、サイエンス(科学)やクラフト(経験則)と比べてビジネスの現場で軽視される傾向にあります。

実際、「多様性」の効用をエビデンスに基づいて説明する材料や道具がありませんでした。

その中で科学的な根拠や多岐にわたる事例をもとに「多様性」の重要性や無視できないメリットを証明したのが本書です。

——確かに、ダイバーシティやSDGsといった言葉が話題になることが増えました。しかし、ベネフィットに直結すると証明されなければ、ビジネスの現場はなかなか動けません。

そうですね。こうした問題は「本人の趣味や主義、政治的信条」などと括られてしまうことも多いです。その中で、本書は「多様性」がなぜ仕事の文脈でも大切になってくるのかをロジカルに伝えられる説得の道具にもなります。

「多様性」を重視する層と、正直なところあまり関心がない層。その溝を埋めることのできる書籍だと思います。

会議こそ多様性を失わせる原因?! 目からウロコの内容とは?

——本書ではさまざまな事例が登場しますよね

例えば、私たちが普段日常的に行っている「会議」は、様々な人の間で意思決定をするための場であり、アイデアのブラッシュアップを行う場です。

しかし、本書では「会議こそ多様性を失わせる原因になっている」という指摘がされています。

——それは何故なのでしょうか?

これは今話題の「心理的安全性」の問題とも絡んできます。

多くの人が、「自分が馬鹿なことを考えているんじゃないか」「今これを言ったら白い目で見られたり怒られるんじゃないか」と、会議で発言をためらったことがあると思います。こうしたことが頻繁に起きてしまう会議もあるかもしれません。
「心理的安全性」が確保されていない状況では、せっかくの意見やアイデアの芽が摘まれ、個々の気づきや疑問がが共有されないまま物事が進んでしまい、失敗へ向かってしまう可能性が高まります。

特にワンマン気質のある上司の前では、支配的なヒエラルキーが存在する場ではこの傾向が強まります。「フラットな組織の方が成功しやすい」というデータもあります。

本書では、下位のヒエラルキーに位置づけられている人が、異変に気づいていたにも関わらず、意思決定者に進言できずに起きた悲劇として、「エベレスト登頂の大量遭難」や「航空機の墜落事故」が事例にあげられ、どのようにして失敗が引き起こされたのかがリアルに語られています。

このような「支配型ヒエラルキー」とは別に、「尊敬型ヒエラルキー」についても紹介されています。これは「尊敬を集めることでリーダーとなる者がいて、メンバーはリーダーに自発的に近づき、自由に意見を発信したり、リーダーの話をじっくり聞く」ような形のヒエラルキーのことです。

しかし「尊敬型ヒエラルキー」だけが良いということではありません。結論や正解が分かっていて、そこに向かって仕事をするということなら「支配型ヒエラルキー」の方がはるかに効率がいい。でもその場合、もはや会議は不要ですよね。

——つまり、会議の場合には「尊敬型ヒエラルキー」の方が良い結果が出やすいけれど、他の場面では「支配型ヒエラルキー」の方が生産的。二つのヒエラルキーが一つの組織に両方とも必要だとすると、一人のリーダーではなく、複数人のリーダーが必要ということなのでしょうか?

一人二役使いこなせる人がいればそれでいいし、リーダーが複数人でも責任の所在が明らかになっていれば、上手く機能するはずです。

大切なのは、一つの組織やチームの中で、目的に応じて二つの役割を適切に使い分けられることだと思います。


——実際に「仕事で活かせそう!」という部分はどんなところですか?

本書の大きな魅力の一つに、「抽象と具体を往復している」点があります。先ほど紹介した二つのヒエラルキーについて書かれた章では、それぞれの抽象的な概念だけでなく、実際に陥りがちな罠や、具体的な実践の提案まで交えられています。

例えば、Googleがフラットな組織づくりに挑戦し、管理職を廃止した事例を挙げています。これは結局「まったく階層が存在しない組織はかえって機能不全に陥る」という失敗談なんですが、こうした事例があることで、抽象的な概念が具体的に腑に落ちるような構成になっているのも本書が良書たるゆえんです。

「すぐに取り入れられるアイデア」も随所で紹介されているのですが、特に「無記名でのアイデア出し」はさっそく実践したいです。先ほどの、会議での「心理的安全性」の確保にも非常に有効だと思います。

川島さん、貴重なお話ありがとうございます!次回は、ビジネス書のトレンドから見た『多様性の科学』の特長、投資や国家の発展に多様性がもたらす影響について語ってもらいます。

\多様性が活きるのは投資?政治?次回の記事はこちら/

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\同著者によるベストセラー/


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