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ビッグデータから訪日外国人と在日外国人とを区別して分析する方法、教えますっ

OxyzenではWi-Fiセンサーで取得したビッグデータから訪日外国人と在日外国人とをロジカルに区別する方法を見出しました。

訪日外国人と在日外国人

2年ほど前までは街なかに外国人が溢れていて、本社のあった西新宿では駅からホテルに向かう外国人がスーツケースをゴロゴロと転がす風景がよく見られました。それが一変し、外国人で密だった風景は幻だったのか?と思えるくらいに一気に見かけなくなりました。

それらの外国人はいわゆる訪日外国人、インバウンドと呼ばれる人々で、主に観光目的で来日した外国人でした。

日本にはその訪日外国人以外にも日本国内で生活をしている外国人、つまり在日外国人の人々もいます。留学生だったり、日本国内の企業で働いている外国人の人々だったりします。

一般的に訪日外国人は旅行で訪れているため、短期間ある場所にいて、その後帰国するとしばらくの間は現れず、在日外国人はそこに住んでいるので長期間に渡って現れ続け、日本人と似た動きをすると思われます

訪日外国人が蒸発してしまった中で、在日外国人の人々へのきめ細やかなマーケティングの需要が高まって来ています。

滞在日数に注目をしてみる

いくつかの、観光地ではない人々が集まる拠点で、訪日外国人がたくさん来日していた2019年4月〜6月までの期間の滞在日数ごとのユニークなカウント数を散布図としてプロットしてみると、大体9日くらいから分布が落ち着いて来ることが分かりました(拠点により多少前後します)。【縦軸:ユニークカウント数、横軸:滞在日数】

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そこで今回は、滞在日数が9日以下を訪日外国人、10日以上を在日外国人と定義してみることにしました

訪日外国人と在日外国人の国や地域の割合

先ほどの定義に基づいて訪日外国人と在日外国人の国や地域の割合の月次での推移を見てみます。

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訪日外国人では韓国が最も多く、次いで台湾、中国、香港の順位でした。そして、カウントされた国や地域もヨーロッパなど多様性に富んでいます

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在日外国人では中国人が最も多く、次いで韓国、香港、ドイツの順位でした。訪日外国人としては下位であったドイツが4位に位置し、逆に訪日外国人では2位であった台湾が5位となっています。また、"訪日外国人"では距離的に遠いEU圏やブラジルなどがカウントされていましたが、在日外国人ではそれらの国々はあまりカウントされませんでした

訪日外国人と在日外国人の曜日別の動きの違い

平日と週末の訪日外国人と在日外国人の割合を見てみると、キレイに違いが見て取れます。【単位:%】

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訪日外国人では平日よりも週末の動きが活発ですが、在日外国人では真逆の動きを見せます。日本人も平日の動きが週末よりも活発なため、在日外国人の動きは日本人のそれと同様の傾向を示します。【単位:%】

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より具体的に見てみると、訪日外国人と在日外国人とでは曜日により逆の動きをしていることが分かります。

訪日外国人と在日外国人の時間帯別の動きの違い

時間帯別の平均カウント数を見てみると、在日外国人の動きは、ほぼ日本人の動きと同様に推移することが見て取れます。つまり、日本人・在日外国人ともに出勤や通学で朝8〜9時台、また夕方に人出のピークを迎えます。逆に、訪日外国人は時間の制約がないため、突出したピークがありません(これは観光地のパターンと類似しています)。【単位:平均カウント数】

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そして、2020年の滞在日数に注目してみる

訪日外国人がたくさん来日していた2019年4月〜6月までの期間の滞在日数では、大体9日を境に分布の変化が確認できましたが、訪日外国人がほぼいない2020年の同時期の滞在日数を見てみると、2019年には存在した"9日の境が"消滅し、9日以前でも一様に平坦になっています。つまり、滞在日数により、短期滞在の傾向が強い訪日外国人と、長期滞在の在日外国人との区別が出来ることが分かります。【縦軸:ユニークカウント数、横軸:滞在日数】

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まとめ

ビッグデータの解析については様々な統計的なアプローチがありますが、訪日外国人と在日外国人とを区別することができ得るということは、ロングテール(あるいは、複雑系)的なアプローチが、実際の社会を観察する際に、非常に有効な手段であると言うことができます。

Digital東京

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